Project/Area Number |
09877240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 巌 東北大学, 医学部, 助教授 (60125557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 浩平 東北大学, 医学部, 助手 (20271900)
内藤 広郎 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90180223)
柴田 近 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30270804)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 腸管内カルシウム / 空腹時 / 消化管運動 / PhaseIII / Interliqestive Migrating Complex / EDTA / 消化管カルシウム / migrating motor complex |
Research Abstract |
1) 研究の背景と我々の仮説:これまでヒトや犬などのほ乳類では空腹期に上部消化管に周期的な強収縮運動(phase III)が発生し肛門側に伝播していき、この一連の運動が消化管内を清掃すると言われている。しかし、phase IIIのは発現と終了の詳細な機序は未だに不明であり、特に腸管内腔環境の関与については未知である。そこで我々は腸管内のカルシウムイオンがphase III発現を調節する重要な因子であると仮説した。 2) 動物モデルの作成:雑種成犬の胃、十二指腸、空腸起始部にstrain gauge force transducerを縫着し、同時に十二指腸にシリコンチューブを挿入して背部皮膚から導出した。術後回復期間をおいてphase IIIが一定して観察されるようになってから実験に供した。 3) 実験実験内容および成績:十二指腸内のカルシウムイオンを減少させるため十二指腸内留置チューブからカルシウムキレート剤であるEDTA4Na(0.03,0.3,0.6,3.0%)または生理食塩水25mlを10分間で注入した。注入時期はphase IIIが最低3回目観察された5分後とした。また、phase Iの時期にモチリンで誘発されたphase IIIについても同様の検索を行った。その結果、3%ではすべてのイヌで激しい嘔吐が観察され詳細な消化管運動記録が出来なかった。0.6,0.3%ではいずれも自然発生および誘発のphase IIIが完全抑制消失した。0.03%ではphase IIIは著明に抑制されたが生理食塩水では全く影響がなかった。 4) 今後の計画:これまでの検討から、十二指腸内のカルシウムイオンは何らかの作用でphase III発現を調節していることが初めて明らかとなった。現在N数を6頭まで増やして統計的処理を行ってから英文誌に投稿するため準備中である。今後、神経を介した作用かホルモンを介した作用かを明らかにすると同時に、カルシウムの濃度によるphase III発現に及ぼす効果も含めさらに検討を進めていく予定である。
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