Project/Area Number |
09877245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 正之 (1998) 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
小切 匡史 (1997) 京都大学, 医学研究科, 助手 (60283595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 亮 京都大学, 医学研究科, 講師 (00139908)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 膵再生 / 膵癌 / 増殖因子 / ランゲルハンス島 |
Research Abstract |
膵小葉内の動脈血流の15〜20%はまず膵島に達し、その後膵島周囲の腺房あるいは小導管に至るという、膵に特有の膵島腺房門脈系・膵島導管門脈系と呼ばれる血行動態に我々は着目し、最近ラ島内の存在が報告されたEGF関連ペプチドであるbetace11ulinがこの膵島腺房門脈系、膵島導管門脈系を介して、膵の増殖、再生機構にいかに関与しているかを検討してきた。まず、膵再生におけるbetacellulinの関与をみるために、66%膵切除をおこなったラットにbetacellulinを投与した。膵重量、膵のDNA・RNA・蛋白含量でみる限り、betacellulin投与群は非投与群と差がなかったが、PCNA染色でラ島のS期細胞数をみると、PCNA Labeling indexはbetacellulin投与群で上昇していた。そこで、マウスに同様の66%膵切除をおこない、インスリンmRNA発現をRT-PCRを用いて評価したところbetace11ulin投与群で非投与群に比べ約8倍の発現量の増加をみた。さらに、内分泌細胞の前駆細胞のマーカーとして提唱されている転写因子PDX-1のmRNA発現量もbetacellulin投与群で増加していた。これらの結果より、betace11ulinは主に内分泌膵、すなわちラ島に対する再生増殖作用を有すると考えられ、その機序として前駆細胞に作用しB細胞への分化誘導を促進させている可能性が示唆された。また、我々は、膵癌増殖におけるbetace11ulinの関与についても検討し、前年度には、betacellulinが濃度依存性にヒト膵癌細胞株(Panc-1、ASPC-1、MIA PaCa-2)の増殖を促進し、その程度はEGFに匹敵することを示した。さらに、今年度の検討で、nude mouse皮下移植モデルでbetacellulinがPanc-1の増殖を有意に促進すること、免疫細胞染色法で膵癌細胞株の細胞膜と細胞質にbetace11ulin蛋白が発現していることがあきらかとなり、betacellulinがautocrine factorとして、膵癌増殖に関与している可能性が示唆された。
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