Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
in situ PCR法は,細胞内で目的の遺伝子をPCRの技法を用いて増幅させ,その後in situ hybridizationにより検出するもので,従来検出限界以下だった遺伝子のin situでの同定に期待が持たれている.1細胞あたり1コピーの遺伝子の存在をも顕微鏡下に同定できるこの技術はこれまでの病理診断や発癌過程の推論などを根本から変革してしまう可能性を持っている.また,早期診断や前癌病変の診断等の臨床への応用も幅広く考え得る.今回我々は,肺癌における遺伝子変化,特に従来in situ hybrization法で検出し得なかった点突然変異を、in situ PCR法により細胞1個のレベルで同定することを試みた. in situ PCRは,遺伝子やプライマーが異なれば大きく条件が変わると考えられており,また,その条件が非常に多岐に亘る.本年度の研究によって,標本の固定法(緩衝ホルマリン,パラホルムアルデヒド,エタノール,グルタールアルデヒド),前処置法(プロテイナーゼK,ペプシン),プライマーの選定(ミスマッチプライマー,ダブルミスマッチプライマー),PCRの条件(種々の温度およびサイクル数),シグナルの検出(染色)法(RI標識,ジゴキシゲニン)に加えて,in situ hybridizationの条件(ハイブリ溶液の組成,温度,時間)と後固定法の条件(固定液,時間)を確立することができ,K-ras遺伝子の点突然変異を細胞単位で検出することに成功した.
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