癌のp53遺伝子療法における導入発現効率の機能的モニタリング方法の開発
Project/Area Number |
09877263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 弘 北海道大学, 医学部, 教授 (80000983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 光宏 北海道大学, 医学部附属病院, 医員
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | Gene therapy / p53 tumor suppressor gene / Adenovirus / Monitoring / Transduction efficiency / Yeast p53 functional assay |
Research Abstract |
本研究の目的はp53導入による癌遺伝子治療の遺伝子導入効率を簡便にモニタリングする方法を確立することである.Virus由来p53mRNAから内因性p53mRNAを区別するため,2種の異なるprimerをreverse-transcriptionに用いた.RT-1はp53 open reading frameのstop codonから44-55base上流に,RT-2はstop codonから81-94base下流の内因性p53mRNAにのみ存在する領域にannealする.RT-1でのRT-PCRではすべてのp53mRANは増幅されるが,RT-2では細胞性p53mRNAのみが増幅される.導入発現効率transduction efficiency τを内因性p53に対する転写発現された野性型p53の比と定義すると数学モデルが構築できτo=(P_1-P2)/(1+P_2),P1,P2は各primerでのteast assay結果(白色/赤色コロニー数)という簡単な式で表すことが可能であることが証明された.このモデルを検証するために, (1)まずhomozygous p53 mutation(P=0)を持つglioblastoma細胞株にp53を遺伝子導入してそのτoを測定する.この結果予想どうりP_1はMOIに応じて上昇し,P_2は0であった。 (2)heterozygous p53 mutation(P=1)を持つglioblastoma細胞株にp53を遺伝子導入してそのτoを測定する.この結果予想どうりP_1はMOIに応じて上昇し、P_2は1.0であった. (3)以上のtransduction efficiencyが細胞に対するp53の生物学的効果に相関しているかどうかを見るためp53にて誘導されるp21のNorthern blot解析を行い,予想どおりの結果を得た (4)腫瘍に清浄細胞が混入するという現実の状況を再現するため,(1)と(2)で用いた細胞にmutationを持たない細胞を混合培養し同様の実験を行い,予想どおりの結果を得た. (5)また抽出されたRNAに正常RNAを混入させ,それが系をどの程度乱すかを判定したところ,系の乱れはわずかであった. 上記より,本方法はp53遺伝子治療のモニタリング法として有用であると結論された.この結果は権威ある遺伝子治療専門誌Gene Therapyに受理され現在印刷中である.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)