子宮内膜症患者血清中に検出される機能的抗子宮内膜抗体とその対応抗原の解析
Project/Area Number |
09877321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
荻田 幸雄 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00047086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 哲二 大阪市立大学, 医学部, 講師 (80275255)
梅咲 直彦 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20106339)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 子宮内膜症 / 抗子宮内膜抗体 / 自己抗体 / 漢方医学 / 自己免疫 |
Research Abstract |
(1) 子宮内膜組織特異的自己抗体の臨床的意義の検討: 子宮内膜組織特異的な多様な抗子宮内膜抗体の存在から内膜症患者におけるポリクローナルなB細胞活性化状態の存在を証明した。特にIgM型自己抗体が内膜症患者に、より特異性が高いことを証明した。そこで患者血清のIgM分画を精製し、子宮内膜細胞に対する増殖刺激活性の有無を調べたところ、患者IgMは健常婦人に比較して、明らかに子宮内膜上皮細胞の増殖刺激効果が異なっていた。すなわち子宮内膜症患者の組織特異的IgM抗体は単なる子宮内膜細胞の破壊の結果ではなく、内膜症の病態発生に直接的に関与していることが示唆された。IgM自己抗体の多くがB1細胞で産生されていることから、現在はB1細胞とB1由来マクロファージ細胞の増殖分化に及ぼす抗子宮内膜抗体の影響について検討している。一方で各種子宮内膜症治療薬で治療中の患者血清における子宮内膜組織特異的自己抗体の推移と、同時に血清ホルモン値と子宮内膜症マーカーであるCA125値を比較検討した。その結果、組織特異的自己抗体レベルは漢方薬で治療した場合のみ漸減したが、GnRHアゴニストないしDanazol投与患者では子宮内膜抗体の低下は認められなかった。以上から、組織特異的自己抗体価は内分泌学的影響は受けにくく、漢方療法の治療指標のひとつになることが判明した。 (2) 特異抗体認識抗原の生化学的解析、抗原に対するモノクローナル抗体の作製ほか: 自己抗体の認識抗原を明らかにするべく、血清から部分精製した抗体分画を用いて免疫沈降法を行ったが、共通した抗原の認識は認めなかった。またヒト子宮内膜組織を用いて中和活性を有するモノクローナル抗体の作製も試みたが、目的とする抗体は樹立できなかった。不成功の原因は抗子宮内膜抗体の多様性と考えられた。現在は非特異的抗体を吸収するための細胞を替えて解析し直している。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)