Project/Area Number |
09877329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
水田 邦博 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30174022)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | メガリン / endocytosis / 免疫電顕 / 蝸牛 / 前庭 / 内耳 / 耳毒性 |
Research Abstract |
内耳にstressが加わり難聴を起こす実験系は内リンパ水腫の作成、過大音響の負荷、耳毒性薬物(アミノ配糖体系抗生剤など)の投与などがある。このうち比較的症例が多く、臨床に近い病態を作成できるのは耳毒性薬物を使用した実験と思われる。近年アミノ配糖体系抗生剤は内耳の細胞をアポトーシスに導くことが報告された。したがってどのような情報が細胞表面受容体がら核内転写因子へ伝達され細胞の自然死に導かれるのか興味深い。そこでまずアミノ配糖系抗生剤がどのようなしくみで内耳細胞に取り込まれて行くのかを研究目的とした。アミノ配糖系抗生剤は耳毒性と腎毒性を共有しており、腎尿細管ではreceptor-mediatedなendocytosisにより取り込まれ細胞障害を惹起する。しかし内耳では取り込みの機構はよくわかっていない。平成9年度は腎でアミノ配糖系抗生剤の取り込みに関連するメガリンの蝸牛での分布を電顕レベルで調べた。今年度は蝸牛と前庭のアミノ配糖系抗生剤に対する共通毒性から、前庭での分布を調べた。 メガリンは前庭卵形嚢や半規管膨大部の暗細胞の内リンパに面した膜とその直下に存在した。同時に調べた腎近位尿細管における分布ときわめて酷似していた。このことは暗細胞が尿細管細胞と同様にendocytosisを行いアミノ配糖系抗生剤を取り込む可能性があることを示唆していた。これとは対照的にアミノ配糖系抗生剤による障害の主な部位である前庭有毛細胞(I型、II型)にはメガリンの分布はなかった。同じ毒性を共存しながら尿細管と蝸牛と前庭の有毛細胞ではアミノ配糖系抗生剤の取り込み機構は違うものと思われた。メガリンは内リンパ嚢上皮にも分布していることが予想される。内耳における機能や病態への関連が今後の研究課題と思われ、研究を進めて行く予定である。
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