Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
アルブミンはATPとは相互作用をしない「不活性」なタンパクと考えられている.しかし,ATP依存系やATPase活性が血清アルブミンの存在によって影響を受けることが報告されている.ATPが血清アルブミンに吸着することを限外ろ過法およびNMRにより示した.pH依存性,イオン強度依存性について詳細な検討を加えた.NMRのデータから,ATPのどの部分がタンパクと相互作用しているかを明らかにした.滴定型カロリメトリーを用いて,吸着におけるΔH^○,ΔG^○,ΔS^○を5℃〜35℃で求め,吸着の熱力学的性質について検討した.photo-affinity labelingによって,ATPのアルブミンの吸着部位を推定した.3種類のラベル剤を合成し,8-N_3-εATPが最適であることを見いだした.このラベル剤を用いてATPの結合部位はサイトIの近傍であることを明らかにした.サイトI結合物質がATPのアルブミンへの結合をnon-competitiveに阻害することは,この結論を支持する.photo-affinityの実験データの詳細な検討により,2カ所の吸着部位が推定されたが,結合実験からは結合部位数は1であり,一見矛盾する結果となるが,2カ所の吸着部位が直列的につながっていると推定し,報告されているアルブミンの結晶構造から,この推定は妥当であると推論した.この吸着部位の内の1つは,Clの結合部位であることを明らかにした.
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