Research Abstract |
1. サブサイクルレーザーパルスよる電子加速に関連して,真空中におけるサブサイクルレーザーパルスの伝播に関する解析を行った。3次元的に局在したサブサイクルレーザーパルスが十分遠方ではどのように波形が変形していくかを数値計算で調べ,十分遠方ではパルスの中心部分は伝播方向に沿ってモノサイクル波になることが分かった。サブサイクル波の縦方向の幅をaまた横方向の幅Wとしたとき,w/a>1000程度になると,縦方向のパルス幅aの10^5倍の伝播距離に対してサブサイクル波のユニポーラーな性質が維持されることが明らかになった。これはa=10μmの場合,1mの伝播距離に対応することになる。 2. 等間隔で連続して入射される同じ大きさのサブサイクルレーザーパルス列による電子の多段粒子加速について数値計算を行った。数値計算の結果,電子の加速エネルギーEが多段加速のステージ数となるレーザーパルスの数Nの2乗に比例して増加することが分かった。またE=AN^2とした時,電子は静止しているよりもパルスの伝播方向への電子の初期速度が大きい方が比例係数Aは大きくなり,より効率的に加速されることが分かった。 3. 一様プラズマに超高強度のサブサイクルレーザーパルスを入射する1次元のPIC粒子シミュレーションによって,プラズマ中に強い航跡場が励起されることを示した。航跡場電場の大きさは,入射電力を一定にしたとき,長いパルスよりもサブサイクルパルスの方がより大きい航跡場電場が生成されることが分かった。 4. 超高強度のサブサイクルレーザーパルスとフォイルターゲット物質(または,プラズマ)との非線形相互作用に関しても,電子加速やレーザーパルスの非線形波動伝播等の問題の理論的検討とPIC粒子シミュレーションのための多次元コードの開発と整備を進めた。
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