ステロイド包接結晶に基づくCombinatorial Chemistry
Project/Area Number |
09878119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029322)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 組合せの化学 / ステロイド / ブルシン / 分子情報と表現 / 包接結晶 / 水素結合 / 分子認識 / キラル炭素鎖分子 / ライブラリー / 分子集合 |
Research Abstract |
「有機分子の情報表現」という概念は、タンパク質・核酸などの生体高分子ではすでに使われている。それなのに、一般の有機分子に対して使われていないのはなぜか。その理由は、近年Combinatorial Chemsitryが知られるようになったにもかかわらず、モノマーの配列順序(定序性)という概念が一般の有機分子に適用されていないからだと思われる。しかし、キラル炭素鎖分子で定序性に基づく分子情報と表現の関係が明白にできれば、有機分子の情報表現という概念が一般的に成立することになる。本研究では、キラル炭素鎖分子であるステロイドやアルカロイドを用いてこの概念を確立することを目指し、本年度は以下のような成果を得た。 1. キラルな定序性炭素鎖分子として、昨年度に続いてステロイド誘導体を多数合成した。さらに、定序性分子としてアルカロイドのブルシンにも注目し、カルボン酸との塩を多数合成した。 2. これらのステロイドやブルシン塩を用いて、水素結合による情報表現を検討した。この検討から、分子構造における水素結合基の数・位置・配置の違いが、分子建築、分子複合(包接)、化学反応に及ぼす影響が系統的に明らかになった。 3. 上記ホストの包接化合物形成能力を調べ、分子認識能を評価した。さらに得られた単結晶のX線構造解析を大量に行った。その結果、各ホストは、分子構造のごくわずかな違いに基づいて、かなり異なる分子集合様式と包接空間をもつことが明らかになった。 4. 上記ホストについて、それらの分子構造と分子集合様式・包接化合物形成能・分子認識能・ゲストの反応などとの相関関係を系統的に整理した。 5. 以上の研究に基づいて、分子情報と表現の新しい研究分野を発展させ、水素結合基をもつキラル炭素鎖の意義を正しく評価するように訴えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)