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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
ミトコンドリアは細胞の増殖に伴って複製され,その位置,形,数は細胞の状態や機能と関連してダイナミックに変動する。こうしたミトコンドリア形態の制御をつかさどる遺伝子を同定するために,遺伝学的解析の容易な出芽酵母を用いて,ミトコンドリア形態に異常の有る変異株を単離することを計画した。 ミトコンドリアの形態は,ミトコンドリアに特異的に結合するケイ光色素による染色法またはミトコンドリアタンパク質に対する抗体を用いるケイ光抗体法によって,直接顕微鏡で観察することができる。しかし,前者には,呼吸欠損株のミトコンドリアを観察できないという問題(ミトコンドリア形態に異常がある変異株は呼吸欠損株になる可能性が高い)が,後者には,試料調製の手間がかかるため,10^3のオーダー以上の株を吸う突然変異株の選別には向いていないという問題がある。そこで本研究では、クラゲ由来のケイ光性タンパク質GFPに遺伝子レベルでミトコンドリア行きシグナルをつないだ融合タンパク質を酵母細胞内で発現させ,ミトコンドリア内にGFPを送り込むことにより,ミトコンドリアの形態をケイ光顕微鏡により簡便に観察できるシステムを構築した。この方法は手間がかからず,呼吸欠損になる可能性が高いミトコンドリア形態異常株を,10^3のオーダーの温度感受性変異株や呼吸欠損株の集団から選別するのに適している。この方法を用いて,温度感受性変異株91株の中から19,呼吸欠損株33株の中から39のミトコンドリア形態異常株を選別した。この中から単一変異により温度感受性とミトコンドリア形態異常の表現系を示す株を4,単一変異により呼吸欠損とミトコンドリア形態異常の表現系を示す株を10得た。さらに相補性テストを行うことにより,温度感受性とミトコンドリア形態異常の表現系を示す株を2つの相補性群に,呼吸欠損とミトコンドリア形態異常の表現系を示す株は6つの相補性群に分けることができた。前者の変異株のうち1つについて変異遺伝子をクローニングすることに成功した。現在,この変異遺伝子の塩基配列の解析を行うとともに,残りの変異株についても変異遺伝子の同定を進めている。
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