細胞膜蛋白質複合体の活性化における立体構造変化を解析する
Project/Area Number |
09878129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹重 公一朗 九州大学, 医学部, 教授 (10037450)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | シトクロームb_<558> / 慢性肉芽腫症 / 活性酸素 |
Research Abstract |
細菌の生体内への侵入に対し、好中球は活性酸素を産生し殺菌する。活性酸素は、細胞膜に存在する活性型シトクロムb_<558>(α鎖とβ鎖の二量体)が、細胞内のNADPHから細胞外の酸素分子に電子を渡すことによって、産生される。この酵素の活性化は、3種類の細胞質蛋白質がシトクロムb_<558>に結合することにより起こる。このとき、β鎖の立体構造が変化し、NADPHに対するβ鎖の親和性が上昇すると考えられている。この親和性上昇の原因は、β鎖のNADPH結合部位を覆うループが細胞内蛋白質の結合によりはずれるために、NADPHがβ鎖に結合できるようになるためだと考えられている。申請者は特異抗体を用いて活性化前後のβ鎖の構造変化を解析した。 その結果、休止時では結合できないが、活性型β鎖のループにのみ結合可能な抗体を発見した。このことから、ループ部を含むβ鎖の構造変化が、活性化におけるNADPHの親和性の上昇に重要であることが示唆された。 ループ部にアミノ酸置換を持つβ鎖が慢性肉芽腫症患者に発見された。この患者のβ鎖は休止時でも活性化時と同様に抗体が結合するが、活性酸素を産生しない。抗活性型β鎖抗体として発見された抗体が、ループにアミノ酸置換を持つβ鎖に結合可能であったことは、活性化時のループの構造とは別の構造の存在を意味し、この抗体による結合が、すべての場合においてβ鎖の活性化を意味するものではないことを示す。また、この患者のβ鎖のループは正常の休止時の位置になく、活性化においてもNADPHのβ鎖への結合を妨げている位置にあることを示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)