Project/Area Number |
09878139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高野 薫 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (60133005)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 高圧力 / タンパク質 / 結晶成長 / 核生成 / 卵白リゾチーム |
Research Abstract |
蛋白質の分子構造を知ることは生命科学にとって極めて大切である。その為の唯一の方法が単結晶のX線結晶構造解析であるので、蛋白質の晶析、単結晶の育成が肝要となるが、ともにその機構が一般則として理解されておらず、統一的なガイドなしに様々な手法が試みられているのが現状である。高圧の応用は晶析の自由度を追加し、また、高圧下では欠陥の少ない良質な結晶が成長する可能性がある。そこで本研究では高圧を利用した晶析と高圧による良質の蛋白質の結晶育成の可能性の検討を試みる。 鶏卵白リゾチームを試料として、蛋白質濃度、電解質濃度、pH、温度、圧力をパラメータとして、析出物の探索を行った。正方晶(既知)、斜方晶(既知)、針状析出物(結晶構造未定)、ゲル(未知)が見出され、何れの溶解度も(圧力0.1MPa、温度40℃で)圧力の増加関数であった。また、温度40℃、圧力約380MPaで、溶解度は圧力増加に対して減少する新相が析出した。以上の結果は、圧力をパラメータに加えると、タンパク質の未知の固相を析出させる可能性が期待でき、溶解度の圧力依存性を利用し、高精度な析出・成長・溶解過程を制御し、良質な結晶を育成できることを示している。 更に、卵白リゾチームの単斜晶を常圧下と100MPaの高圧下で育成し、X線結晶解析を行った。still写真を比較すると、常圧下、及び高圧下で成長した結晶のいずれも十分に多くの回折スポットを与えたが、高圧下の方が良好な回折を起こしていた。現在、これが結晶の質の良さを示す物か否かをさらに検討中であるが、十分にポジティブな萌芽を得た結果といえる。 以上より、高圧の応用なタンパク質の晶析、および良質な結晶を得るために有用であることが示された。
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