人工膜小胞中における細胞骨格構成蛋白質の再編成によるモデル細胞の構築
Project/Area Number |
09878141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瀧口 金吾 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20262842)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 人工膜小胞(リポソーム) / 光学顕微鏡観察 / アクチン / アクチン架橋蛋白質 / 細胞骨格 / モデル細胞 |
Research Abstract |
細胞骨格の1つであるアクチンとアクチン線維架橋蛋白質を同時に封じ込めた人工脂質膜小胞(リポソーム)を作成し、その内部でのアクチンの重合の結果生じるリポソームの形態形成を観察した。観察結果はCCDビデオカメラによって撮影記録し、リポソームおよび蛋白質の挙動は画像解析装置およびパーソナルコンピュータを用いた半自動解析装置で解析した。実験に使用したアクチン線維架橋蛋白質とそれらの機能は次の通りである。ファッシン:強固で直線的なアクチン線維の束を形成する。α-アクチニン:緩く屈曲し易いアクチン線維の束を形成する。フィラミン:アクチン線維の立体的な網目構造を形成させる。 リポソームの内部でアクチンを重合させると、一緒に加えた架橋蛋白質によってアクチン線維の束やネットワークをリポソーム内部で再構成させることができた。その結果リポソームは、内部でアクチンを単独で重合させた場合とは異なる形態変化を示した。解析の結果、生じた形態変化のパターンは、アクチンと共にリポソーム内に加えたアクチン線維架橋蛋白質の種類・性質に依存しており、各々の蛋白質の加えられた濃度には依存しないことが明らかとなった。各架橋蛋白質を加えた場合の変形パターンは次の通りである。ファッシン:糸状仮足様の堅く鋭い膜突起を高頻度でリポソームに形成させる。α-アクチニン:円盤状の平坦な形態をリポソームにとらせる。極僅かに、湾曲し易い膜突起をリポソームに形成させることもある。フィラミン:いびつに膨らんだ形態をリポソームにとらせる。 以上の研究結果は、生体膜の形態形成と各アクチン線維架橋蛋白質の性質との間には密接な関係があり、その結果として、細胞には異なる多くの種類のアクチン架橋蛋白質が存在し機能していることを示している。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)