Project/Area Number |
09878147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中安 博司 岡山大学, 理学部, 助教授 (60135465)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 脳 / 神経細胞 / 脳の培養 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本研究により今まで不可能とされてきた脳の長期にわたる体外培養が可能となった。これは、すべての脊椎動物を含めて、筆者の知る限り初めての成功である。体外に取り出した脳を培養可能にしている条件として、(1)ゼブラフィッシュが非常に小さく単純な構造の脳を持っている事、(2)魚類は酸素運搬能力が低いため、酸素不足に耐えうる事、(3)コンディションメディウムを工夫して、そこに含まれている脳の培養に必要な栄養因子を利用できた事、(4)培養条件を改良して、脳の表面が乾燥しない状態で、必要な酸素と培地の養分の補給が出来た事、という4つの事があげられる。培養した脳は、幾分の変形はあるにせよ、外観も、また内部の大局的な構造も保存されている。また、その構成成分の神経細胞は、一週間の培養の後においても、培養していない脳のそれと同じ程度の生存率を示した。ゼブラフィッシュの神経細胞に特異的なモノクローナル抗体で染色した結果、脳内の細部に至る構造もよく保存されている事が分かった。 脳の培養はいま始まったばかりである。この方法それ自身もまだまだ改良の余地を色濃く残している。さらに長く、より大きな脳を培養する事を目指して、さらに最終的にはわれわれ自身の脳を培養で維持しつづける事を目標に努力を続けている。
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