ショウジョウバエ消化管発生の分子遺伝学的グランドプラン
Project/Area Number |
09878169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 柳太郎 山口大学, 理学部, 助教授 (40182109)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 消化管 / 部域分化 / 分節遺伝子 / wg / hh / dpp / 後腸 / シグナル因子 / 区画化 |
Research Abstract |
本研究計画は、ショウジョウバエ消化管形成に関わる遺伝子制御の全体像を把握する目的で始められた。 以前からの研究経過で、後腸の部域分化には分節化や成虫原基のパターン形成に関与する分節遺伝子群、特にwingless(wg),hedgehog(hh),decapentaplegic(dpp)など分泌性のシグナル因子をコードする遺伝子が必須の役割を担っている証拠が得られた。本研究計画では、wg,hh,dppのターゲットとなる細胞集団とその作用を明らかにするため、各遺伝子の突然変異の消化管形成過程を詳細に解析した。その結果、 1) wgは後腸後端に接する肛門盤原基で発現し、その突然変異胚では肛門盤が形成されないだけでなく、直腸区画を含む後腸後半の広い領域が欠失する。さらに、wg変異によって、予定直腸領域でのhh発現と予定後腸中央部のdpp発現が消失する。 2) hhは予定直腸領域で発現し、その変異胚では直腸が消失するとともに隣接する後腸中央部でのdpp発現が消失する。 3) dppは後腸中央部の腹側、および直腸に隣接する短い領域で発現し、その変異胚では後腸中央部が著しく短縮する。 などが明らかとなった。wg,hh,dppはいずれも分泌性のシグナル因子をコードしており、細胞集団間のシグナル伝達を行っていることが、他の多くの実験系で示されている。本研究で得られた結果より、ショウジョウバエ後腸では、これらの分泌性シグナル因子が媒介する細胞間の誘導的相互作用によって、後腸内の区画化がなされていることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)