Project/Area Number |
09878170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 一也 九州大学, 理学部, 助教授 (30150395)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ガレクチン / レクチン / 表層顆粒 / GPIアンカー / 細胞接着 / ABO式血液型物質 / カドヘリン / 糖脂質 / アフリカツメガエル / 糖質 |
Research Abstract |
アフリカツメガエルのカルシュウム依存性細馳接着にはヒトのB型血液型物質が働いていることを明らかにした。これはABO式血液型物質が多細胞生物で機能を果たしていることを示す初めての研究である。B型血液型物質の付加されている糖脂質の構造決定を終え、さらにB型血液型物質が付加されている糖蛋白質の分析を二次元電気泳動を利用して行った。B型活性を持つ糖蛋白質は1種類しかなく、その分子はGlycosylphosphatidylinositolanchor型であることをphospholipaseCなどを利用した解析で示した。内部アミノ酸配列の解析からこの分子はアフリカツメガエルの受精の時、多精の拒否に働いている表層顆粒レクチンの相同分子であることが判明した。このレクチンは卵の周囲にあるαガラクトースをレクチンとして認識して沈殿し受精膜を形成する。この重要な働きを果たしているレクチンの相同分子がGPIアンカー型となってカルシュウム依存性細胞接着に働いていることを示し、さらにこの新発見の膜蛋白質がレクチンとしてB型血液型糖鎖と結合することを血液型糖鎖を固定化したアフィニティークロマトグラフィーなど用いて証明した。さらに胚表面から糖脂質を消去する酵素であるEndoglycoceramidaseII処理によってカルシュウム依存性細胞接着が完全におさえられてしまうことから、糖脂質もカルシュウム依存性細胞接着に関与していることを示した。以上の実験結果から糖脂質と糖蛋白質の両方が相互作用しながらカルシュウム依存性細胞接着に働いているという全く新しい細胞接着モデルを提唱した。また多細胞生物の細胞間相互作用におけるαガラクトース含有複合糖質とそれを認識するレクチンの重要性が本研究を通じて始めて明らかになった。このレクチンの相同分子をヒト・マウスなどで検出したので同様の新しい接着機構が広範囲の多細胞生物で働いている可能性が高く、現在検討中である。
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