Project/Area Number |
09CE1001
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Research Category |
Grant-in-Aid for COE Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
安田 喜徳 (安田 喜憲) 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50093828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 毅 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (20332190)
高橋 学 立命館大学, 文学部, 教授 (80236322)
佐藤 洋一郎 静岡大学, 農学部, 助教授 (20145113)
北川 浩之 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (00234245)
福澤 仁之 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80208933)
外山 秀一 皇学館大学, 文学部, 助教授 (50247756)
徐 朝龍 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (80235811)
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Project Period (FY) |
1997 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥460,000,000 (Direct Cost: ¥460,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥90,000,000 (Direct Cost: ¥90,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥90,000,000 (Direct Cost: ¥90,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥100,000,000 (Direct Cost: ¥100,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥90,000,000 (Direct Cost: ¥90,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥90,000,000 (Direct Cost: ¥90,000,000)
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Keywords | 長江文明 / 稲作 / 都市文明 / 城頭山遺跡 / 王宮 / 苗族 / 焼成レンガ / 気候変動 / 潅漑と王権 / 稲作の起源 / モンスーン大変動 / プラント・オパール分析 / 長江文明の崩壊 / 環境考古学 / 稲作文明 / 鶏叫城遺跡 / 〓王国 / DNA分析 / 青銅器文化 / 小板橋遺跡 / 三星堆遺跡 / 龍馬古城宝〓遺跡 / 古気候変動 / モンスーン変動 |
Research Abstract |
平成13年度はプロジェクトの最終年度にあたり、主として研究成果のとりまとめと、補足調査ならびに研究成果の発表を実施した。平成13年度「長江文明の探求」の成果として特筆すべきことがらは、1)世界最古の焼成レンガの発見、2)中国最古の祭政殿の発見、3)中国最古の王宮の発見、4)大型の木柱をもった貯蔵庫の発見、5)城頭山遺跡の城壁が3重構造を持つことの発見、6)城頭山遺跡の住人が苗族であった可能性が高いこと、7)長江文明と日本文明の関係の解明、8)国際シンポジウムの実施し、9)研究成果報告書の刊行、10)記者発表による研究成果の公開などである。 1)世界最古の焼成レンガの発見 湖南省城頭山遺跡から出土した紅焼土とこれまでよばれてきたものの焼成過程を詳細に分析した結果、それが火事などで偶然できたものではなく、焼成レンガであることが判明した。焼成温度は摂氏600度以上の高温で、均質に焼かれており、かつそれらを大量に生産するシステムが存在したことが判明した。14C年代測定の結果その焼成レンガはすでに6400年前に作られていたことがあきらかとなり、世界最古の焼成レンガであることが判明した。 2)中国最古の祭政殿の発見 大渓文化の土廣墓の上にこの焼成レンガを敷き詰め、その上に屈家嶺文化早期の正殿・前殿・脇殿の構造をもった建築物が発見された。これは中国最古の祭政殿とみなされる。 3)中国最古の王宮の発見 祭政殿の西側に焼成レンガの上にさらに40cmほど版築をした上に、列柱回廊を持つ大型の建物が発見されんた。内部には御簾を支えたとみなされる列柱も発見され、これが王宮であった可能性がきわめて高いことが判明した。 4)大型の木柱をもった貯蔵庫の発見 東門の背後から直径1m以上の木柱をもつ大型の建物跡が発見され、その周辺から大量のイネの籾殻のプラントオパールが集中して発見された。このことから、この大型の木造家屋はイネ籾の貯蔵庫であった可能性が指摘できる。 5)城頭山遺跡の城壁が3重構造を持つことの発見、 城頭山遺跡の修景保存のための発掘調査の結果、城頭山遺跡の城壁は3回にわたって築造が内側から外側へと城壁が拡大築造されていることが判明した。 6)城頭山遺跡の住人が苗族であった 城頭山遺跡から出土した木材片の分析の結果、大半がフウの木であることが判明し、城頭山遺跡の住人はフウの木を愛用し崇拝していた可能性が高いことが判明した。現在フウの木を崇拝し愛用しているのは少数民族の苗族であり、城頭山遺跡の住人が苗族である可能性が高いことが指摘された。 7)長江文明と日本文明の関係の解明 城頭山遺跡周辺では水陸未分化の稲が栽培され、畑作雑穀も栽培されていた城頭山遺跡から出土した大型種子の分析の結果、水田雑草の種子とともに大量の畑作雑草の種子が検出され、遺跡周辺での稲作は水陸未分化の稲であったことが指摘できる。これは縄文時代晩期の唐津市菜畑遺跡の分析結果とよく似ており、稲作の日本への伝播経路が長江下流域から直接東シナ海を渡って日本に伝播した可能性が高いことが明らかとなった。 8)国際シンポジウムの開催 平成13年11月に長江文明の興亡と環境変動についてて世界の古代文明の研究者を招聘して、国際シンポジウムを実施した。その結果4200年前の気候悪化が長江文明の崩壊に決定的な意味を持ったことが明らかとなった。 9)研究成果の報告書の刊行 英文1冊、中文2冊の研究成果の報告書を刊行した。英文の報告書は「Origins of Pottery and Agriculture」(Lusre Press Roli Book)384pp.中文の報告書は「神話・祭祀和長江文明」文物出版社200頁と「長江流域乃青銅器」科学出版社200頁である。さらに現在中文の報告書「城頭山遺跡」を編集中であり、平成14年12月までには刊行できる見通しである、予定頁数は1000頁を越える膨大な報告書が出る予定である。 10)記者発表 平成13年11月2日に記者発表を行い、研究成果の公開を行った。
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