Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
large-volume sample stacking with electroosmotic flow pump (LVSEP)法を用いる高感度電気泳動分析法をアニオン性,カチオン性の両試料に適用し,動電クロマトグラフィー(EKC)などの様々な分離モードで分析することに成功し,採用第2年度までに最大で1000倍程度の高感度化に成功した。第3年度では,さらなる高感度化を目標とし,field-amplified sample injection (FASI)法とLVSEP法との結合について検討を行った。 LVSEP-FASI法の濃縮性能を検討するため,モデル試料としてfluoresceinを用いてキャピラリー電気泳動(CE)をベースにLVSEP-FASI分析を行った。バイアルの交換時間および印加圧力の最適化の結果,それぞれ10 min,1.0 psiとした際従来のCE分析と比較して70,000倍の高感度化が達成された。向様にAPTS誘導体化G7のWSEP-FASI-CE分析を行った結果,0.5 psiの圧力印加および15 minにおけるバイアルの交換により,CEと比較して10,000倍の高感度化および未反応のAPTSとG7のベースライン分離が達成された。検出時間,ピーク高さのRSDはそれぞれ2.4%,11%であり,オンライン試料濃縮を長時間行う分析法としては良好な再現性が得られた。また,分離性能の最適化の結果, LVSEP同様にLVSEP-FASI法を用いてもほとんど分離度が損なわれないことが判明した。 同様にマイクロチップ電気泳動(MCE)においてもLVSEP-FASIの検討を行った。モデル試料としてfluoresceinを用い,試料濃縮時間を240sとしてLVSEP-FASI-MCE分析を行ったところ,わずか10pMの試料の検出に成功した。従来法であるpinched injectionを用いたMCE分析の結果と比較したところ,6万倍の高感度化が達成された。 以上のように,CE,MCEのどちらにおいてもLVSEP-FASI法の高い濃縮性能分離性能が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画とは異なる方向での研究成果ではあるが,糖鎖分析における高感度化,分析操作の簡略化など,高性能化は計画以上に達成されている。また,別途推進している新規親水性ナノ材料を用いた分離性能の向上,開発したLVSEP法と質量分析計(MS)との結合などについても順調に推移しており,現在開発された新規高性能糖鎖分析法の実分析への応用を推進中である。
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