Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
多環芳香族化合物は光学的・電子的物性から興味がもたれている。新規な合成シントン・合成法の開発は新規な多環芳香族化合物の合成に直結することから重要である。昨年度、報告者はテトラエチニルナフタレンの合成に成功している。その結果を踏まえ今年度はテトラエチニルナフタレンの渡環環化反応による新規縮環芳香族化合物への変換を検討した。1.ビス[10]アヌレンおよびゼトレンの合成の試み報告者の前所属研究室ではテトラデヒドロジナフト[10]アヌレンの合成とヨウ素による渡環環化によるゼトレン誘導体への変換を報告している。本研究ではビス(テトラデヒドロジナフト[10]アヌレン)の合成とその渡環環化反応によるビスゼトレンへの変換を目指した。今年度は昨年度に合成したビス[10]アヌレンの前駆体となるテトラエチニルナフタレンからビス[10]アヌレンへの変換を検討した。分子内及び分子間での薗頭反応の検討を行ったが、目的物は得られなかった。現在は別のルートによって合成を行うことを計画している。2.テトラキス(フェニルエチニル)ナフタレンの合成とその渡環環化反応テトラキス(フェニルエチニル)ナフタレンの合成を行った。そのX線構造解析からは4つのフェニルエチニル基がナフタレン平面内で分子の外側へ開く構造とナフタレン骨格がねじれる二つの配座異性体が観測された。このものとヨウ素を反応させたところ一方の二つのアセチレンの間で渡環環化した生成物が得られた。現在、反応条件の最適化を行っている。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 5 results) Presentation (5 results)
The Journal of Organic Chemistry
Volume: 76 Issue: 21 Pages: 9116-9121
10.1021/jo2014593
Organic Letters
Volume: 12 Pages: 3824-3827
Heterocycles 80
Pages: 149-155
Polynuclear Cyclophanes in Science of Syntesis Volume 45b(Georg Thieme Verlag KG)
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Chemistry-A European Journal 15
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Tetrahedron Letters 50
Pages: 3693-3697