相対論的流体における散逸の実用的解法の開発とその高エネルギー天体物理過程への応用
Project/Area Number |
09J01061
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高本 亮 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | パルサー星雲 / 相対論的磁気流体 / 相対論的散逸 / 相対論的流体力学 / 相対論磁気流体力学 / 相対論的散逸理論 / 相対論的流体 / Israel-Stewart理論 |
Research Abstract |
私は上記のような研究課題に基づき、平成23年度は研究計画通り、前年度までに作成した相対論的散逸磁気流体力学の数値解法を用いて蟹パルサーのσ問題についての研究に取り組み、その1つの有望な解決策を提示した。 蟹パルサーのσ問題とはパルサーから放出されるプラズマの磁場の大きさについての観測予測と理論予測の不一致のことである。蟹パルサーの周囲にはパルサー星雲と呼ばれる非常に高温のプラズマが存在しており、そのプラズマの磁場のエネルギーについての観測予測と理論予測の間に4桁以上の開きが存在している。これまでの研究では主にパルサーからパルサー星雲にプラズマが到達するまでに磁場を散逸させる物理過程について研究が行われてきたがいまだ解決には至っておらず、現在のところ否定的な結論のほうが優勢である。 この問題に対し、私はパルサー星雲に到達するまでに磁場を散逸させるのではなく、パルサー星雲に入射した直後にパルサー風とパルサー星雲の境界面に存在する衝撃波が駆動する乱流によって磁場を散逸させることを考えた。衝撃波は上流の流体に密度揺らぎが存在する場合、その揺らぎとの相互作用によって衝撃波面が変形され、これにより下流に乱流が駆動されることが知られている。私はこの乱流によりパルサー風に存在することが理論的に予想されている電流面が引き伸ばされ、散逸が加速されるということを数値計算によって示した。また驚くべきことに乱流による散逸の加速はプラズマの散逸係数にはよらずに、乱流の強さにのみ依存することを発見しこれを説明する物理モデルを提出した。本研究の散逸過程は乱流と電流面が存在すれば必ず起こる一般的物理過程であるため、パルサー星雲だけではなく相対論的ジェットやガンマ線バーストなどの強磁場の関係するさまざまな高エネルギー天体現象にも応用できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の申請課題は、相対論的散逸の実用的解法の開発とその高エネルギー天体物理現象への適用であるが、私は前年度までに研究計画通り相対論的散逸理論の実用的解法に成功し、また今年度は当初の計画通りそれを蟹パルサー星雲という高エネルギー天体物理現象に適用し、その磁場の散逸過程について研究を行うことが出来た。このような理由により本件急はおおむね研究計画通り順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は今年度で終了であるが、この研究をさらに推進し高エネルギー天体物理現象の謎を解明する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)