Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
リジッド幾何学における曲面の分類とその応用に関して次のことが分かった.リジッド幾何学においても代数次元や小平次元ごとの分類が可能である.具体的には,代数次元が2の場合は代数曲面であり,代数次元が1の場合には楕円曲面の構造を持つ.さらに,楕円曲面の分類を進めるために標準束の公式を与え,小平次元が0の曲面を詳しく調べた.楕円曲面の研究を通して,解析曲面特有の性質と正標数特有の性質を併せ持つ曲面を具体的に構成することができた.具体的には,複素解析曲面の場合と同様に,対数変換を定義し代数曲面の例や代数的でない解析曲面の例を任意標数において構成した.さらに,特異ファイバーによる分類を可能とするため,種数1の局所的な底空間の上の算術曲線の研究を進め,楕円曲面の構造を持つリジッド解析曲面や代数曲面の分類を進めた.その結果,特異ファイバーの組み合わせから曲面のタイプが決定されることを示した.局所理論の研究により,正標数の場合に,ガロアコホモロジー類からファイバーに付随する不変量が計算できるようになり,見通し良く楕円曲面を分類を進めることが可能となった.特に,特異ファイバーの基底変換による解消についてもその原理が明らかになり,これまで構成することが困難であった新しいタイプの代数曲面の構成に応用することができた.この研究により,リジッド幾何学における曲面の分類理論の基礎が与えられ,またその応用として,解析的手法を用いた正標数代数曲面の研究への道が開かれた.
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