Project/Area Number |
09J01283
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Clinical veterinary science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 由則 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | イヌ / 肥満細胞腫 / 分子病態 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、四種類のイヌの肥満細胞腫(Mast cell tumor, MCT)細胞株はKIT変異、c-Kitのリン酸化およびSCF発現について複数のパターンを有していることが明らかにされた。この結果を受け、昨年度の研究実施計画3に該当する研究として、これまでにKIT配列およびc-Kitリン酸化が同定された細胞株に対する4種のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による増殖阻害効果を検討するとともに、この阻害効果に対するABCB1の影響を解析した。ABCB1はABCトランスポーターファミリーの一種であり、抗癌剤を含む多数の薬剤を排泄することから、その過剰発現がさまざまな腫傷の薬剤耐性に関与することが知られている。細胞株としてHRMC、VIMC1、CMMC1を使用し、TKIとしてAxitinib、Imatinib、Masitinib、Vatalanibの4剤を用いた。これら4剤のHRMC細胞に対するIC_<50>値は、VIMC1、CMMC1と比べると明らかに高く、その増殖阻害には高い薬物濃度が必要であった。HRMCおよびCMMC1においては、c-Kitリン酸化を抑制する濃度で細胞増殖も抑制された。これに対し、VIMC1のc-Kitリン酸化を抑制するには、その増殖を抑制するよりもはるかに高い濃度が必要であった。機能的なABCB1はVIMC1にのみ発現しており、その基質であるシクロスポリンを添加することで、VIMC1に対するTKIの効果がやや増強された。以上の結果より、KIT遺伝子変異のない細胞株(HRMC)はKIT遺伝子変異を有する細胞に比べてTKIに対する感受性が低いことが明らかにされた。また、VIMC1においては、TKIはc-Kit以外の標的に作用することによって増殖を抑制している可能性が高く、本研究において使用したTKIはABCB1の基質となりうることが示された。当成果については、San Diegoにて行われたVeterinary cancer society 2010 annual conferenceにて発表した。さらに、国際学術誌であるJournal of Veterinary Pharmacology and Therapeutics誌に投稿し、受理された。
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