大気海洋結合大循環モデルで再現された十年規模変動とその予測可能性
Project/Area Number |
09J01635
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies (2011) The University of Tokyo (2009-2010) |
Principal Investigator |
安中 さやか (前野 さやか) 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 地球温暖化近未来予測 / XBTバイアス / 太平洋十年規模変動 / 歴史的海面水温データ / 海洋亜表層水温の昇温 / 海面水温 |
Research Abstract |
XBT(Expendable Bathythermograph:投下式水温水深計)による海水温観測値に内在していたバイアスの、大気海洋結合大循環モデル(MIROC3)を用いた気候変動予測に対する影響を調べた。バイアスを除去した観測値の全球平均表層水温に見られる長期変化は、太陽放射や温室効果ガスの濃度を外部条件として与えて計算したモデル(MIROC3)による海水温長期変化の結果とよく一致した。さらに、バイアスを除去した観測値を初期値として用いた気候変動予測は、バイアスを除去しない観測値を用いた予測に比べて、太平洋10年規模変動(PDO)の予測可能性を向上させることがわかった。 海面水温(SST)は、全球規模で長い時系列を用意できる海洋資料で、気候変動調査には非常に有効である。これまで格子化データセットを様々な機関が作成・公開しているが、特に、観測数の少ない期間や海域では、データセット間に差があることが知られている。しかし、1970年以前の比較検討は限定的であるので、気候変動研究に広く使われている歴史的SSTデータセットを相互比較した。また,統計値の比較だけでなく、気候シグナルの比較も行うとともに、その差の原因を考察した。その結果、元データや作成方浩の違いから、データセット間で大きな差があることがわかり、解析結果を解釈する際、各々のデータセットの特性を考慮し、必要に応じて、他のデータセットによる結果と比較すべきであると結論付けられた。 過去100年間の海洋亜表層水温の昇温パターンを調べた。5年移動平均をかけた1911~2010年の年平均SST偏差に対してEOF解析を行ったところ、第1モードとして、揺らぎながらも単調に増加する時係数と、ほぼ全域で正の値を示す空間パターンが得られた。これに対応して、亜表層水温場は、亜熱帯域における大きな昇温と北太平洋亜寒帯域における局所的な負のトレンドを示し、大気循環場は、極域における海面気圧の低下と偏西風の強化および貿易風の時弱化が見られた。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)