Project/Area Number |
09J01658
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平野 淳一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | イスラーム復興 / パン・イスラーム主義 / イスラーム諸学派近接運動 / 接近の使信 / 現代イスラーム世界 / 中東・イスラーム世界 / スンナ派とシーア派 / イスラーム諸学派近接館 / イスラームの使信 |
Research Abstract |
平成22年度に実施した研究の成果として、大きく次の2点を挙げることができる。 第一に、イランのイスラーム諸学派近接世界アカデミーが刊行しているアラビア語雑誌『接近の使信』を取り上げて、その理念の解析を集中的に行った。その結果、(1)「イスラーム諸学派近接世界アカデミー」は、イランの最高指導者ハーメネイー主導のもと、イラン政治の影響を受ける形で1990年にテヘランで設立され、その特徴として制度の明確な組織化と他のイスラーム国際組織との広域なネットワーク構築があることを明らかにした。また(2)雑誌『接近の使信』は、2000年前後を境として理論的・シーア派的な内容から、諸文化・諸文明の共存などに代表される社会批評的な論考が目立つようになり、そのような変化の背景として、イランをはじめとする中東の政治動向と現代イスラーム世界を取り巻く国際社会への対応があることを明らかにした。 第二に、第一の成果を踏まえて博士論文を執筆し、「近現代イスラーム世界におけるイスラーム連帯と宗教的融和-アフガーニー思想からその現代的展開まで-」という題目のもと、学位の請求を行った。その結果、平成23年3月に京都大学より地域研究の博士号を取得した。 博士論文では、次の点を明らかにした。すなわち、19世紀から20世紀前半の近代イスラーム世界においては、帝国と王朝による政治システムのもと、イスラーム改革主義者が個人として近代的なプリント・メディアを駆使しながら政治的・宗教的側面におけるイスラーム連帯論を提唱していったことを明らかにした。そして、20世紀中葉において制度的に組織化された団体を通じてイスラーム連帯論が継承された後、20世紀後半においては領域主権国家による政治システムのもと、イスラーム国際組織が広域なネットワークを張り巡らせながら、近代的なプリント・メディアに加えてインターネット・ウェブサイトに代表される電子情報システムを活用して、政治的・宗教的側面におけるイスラーム連帯論を提唱していったことを明らかにした。
|