遷移金属-ホスフィン錯体による特異反応場の形成と触媒反応への応用
Project/Area Number |
09J01922
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 英人 北海道大学, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 金触媒 / トリエチニルホスフィン / 環化反応 / アルキン / 7員環形成 / シリルエノールエーテル / ヒドロアミノ化 / アゼピン / ロジウム触媒 / アレニルシラン |
Research Abstract |
前年度から引き続きトリエチニルポスフィン-金触媒によるアルキニルスルホンアミドの分子内ヒドロアミノ化反応のさらなる検討を行った。半中空構造を有したトリエチニルホスフィンのキャビティーの立体効果による反応加速効果を見積もるために、アルキン基質が金に配位した構造のDFT計算を行った。その結果、トリエチニルホスフィン-金-アルキン錯体では、アルキン基質はもはや直鎖状構造をとることはできず、折れ曲がった構造をとることがわかった。そして、窒素求核部位は反応点であるアルキン部位に接近することを見出した。これは、申請者らが以前から提唱していた「配位子の立体的な基質を折りたたみ効果によって反応点の接近を促し、環化を加速する」という仮説を支持する結果となった。申請者は次に、炭素-酸素結合形成を伴った環化反応へと適用することにした。これまでに他の研究グループによって、求核部位としてヒドロキシル基を有したプロパルギルエステルを5mol%のAuCl触媒と作用させることにより、6員環エーテルであるテトラヒドロピラン骨格を得られることがわかっている。しかしながら、この手法は多量の触媒を必要とし、かつ7員環形成への適用が未だされていないなどの問題点があった。特に7員環エーテル骨格は多くの海産系天然物に含まれるものであり、温和な条件下、触媒的に構築することができれば、多くの天然物合成に役に立つと考えられる。申請者は、カチオン性トリエチニルホスフィン-金触媒が、ヒドロキシプロパルギルエステルの環化反応を効率的に触媒し、僅か0.5mol%と少ない触媒量でも高収率で6員環エーテル並びに7員環エーテルを与える事を見出した。また基質一般性も良く、様々な官能基や嵩高い置換基を有するものでも対応する環化体を与える事がを見出した。これら成果について現在論文投稿準備中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)