低温菌生体膜における低温適応を支える分子基盤解明 : エイコサペンタエン酸の生理機能解析
Project/Area Number |
09J02396
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied microbiology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 翔 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | EPA / 脂質修飾タンパク質 / プローブ / クリックケミストリー / マイクロドメイン / リン脂質プローブ / リン脂質-タンパク質間相互作用 / 低温菌 / 分子プローブ / エーテル型リン脂質 |
Research Abstract |
これまでリン脂質アシル鎖としてのEPAの機能に着目してプローブを作製してきたが、平成22年度の研究でEPA含有リン脂質特異的に結合するタンパク質として同定されたDcpホモログがリポタンパク質である可能性が示されたようにEPAがタンパク質修飾剤として特異な生理機能をもつ可能性も考えられた。EPAのようなLPUFA修飾タンパク質に関する報告は、ほ乳類においては一部なされているものの少なくともバクテリアにおいて報告例はない。しかしながら、平成21年度の研究でEPA含有リン脂質が濃縮されたマイクロドメインの存在が示されたことでマイクロドメイン指向性のEPA修飾タンパク質の存在が期待された。そこでEPA修飾タンパク質探索用ツールとしてクリックケミストリーを利用して検出や同定が可能なω-アルキニルEPA(clickable EPA, cEPA)を合成した。cEPAはEPA欠損株の4℃での生育遅延を野生株レベルまで完全に回復させた。これは天然のEPAと同様の結果であったことからcEPAはEPAと同様の生理機能を有すると考えられた。次に、cEPAを添加した培地で4℃にて培養後、回収した菌体から不溶性および可溶性タンパク質を調製し、各々をアジドクマリンで蛍光標識後、SDS-PAGEに供し、In-gel検出を行った。その結果、7つのEPA修飾タンパク質を不溶性タンパク質群から検出した。さらに、これらの同定を目指し、アジドビオチンを用いてビオチン標識タンパク質を調製し、ストレプトアビジンによるアフィニティー精製を行った。SDS-PAGE後のゲル上で濃縮されたバンドに対しペプチドマスフィンガープリンティング解析を行った結果、同定されたタンパク質の一つが2-1で見出されたDcpホモログであることがわかった。DcpホモログはEPA修飾を受けるリポタンパク質の一つであることがより強く示唆された。DcpホモログへのEPA分子の付与によって、Dcpホモログの膜親和性・膜局在性が促進され、代謝回転が速いと考えられる細胞分裂サイトでの膜タンパク質の分解系を調節していることが考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)