北宋西北辺地域における統治体制―黒水城出土「宋西北辺境軍政文書」の分析を通じて―
Project/Area Number |
09J02680
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 一馬 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 宋西北辺境軍政文書 / 陜西地域 / 将兵制 / 赦書 / 金・南宋・西夏の鼎立 / 御前会合軍馬入援所 / 〓延路第七将 / 堡寨 / 状 / 牒 / 箚付 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までの成果をうけて、以下のことを行った。 まず、北宋の神宗期に将兵制が成立するまでの過程や背景を、対外情勢との関連に着目して検討した。 北宋の将兵制は、決して画一的・均質的に成立したのではなく、陝西地域・河北地域8東南諸路のそれぞれで対峙する勢力への姿勢に応じた背景や過程をもって成立したことが明らかとなり、とりわけ、西夏と対峙して軍事衝突が頻発していた陝西地域は、北宋における軍事的な先進地域となり、その情勢は将兵制成立に見られる如く河北・東南地域にも影響を与えたことを確認した。このような軍事政策の観点に立てば、陝西地域は当時の国際情勢における「結節点」であったと言える。 次に、黒水城遺趾から出土した「宋西北辺境軍政文書」中の「赦書」の語が見える109-28文書・109-98文書を手がかりに、南宋成立直後における中央政府と陝西地域の動向ならびに双方の動向を検討した。それにより、北宋から南宋への移行期に、金軍の侵攻に対して陝西地域は領域を維持し、建炎四年まで頑強に抵抗し続けていた。それを可能にしたのが、南宋成立直後における中央政府との連絡の復活であり、赦書という皇帝の"お墨付ぎ"を背景にした軍備再建であったのである。 神宗期に成立した将兵制が、北宋末期から南宋初期に至るまで陝西地域で定着していたことは「宋西北辺境軍政文書」から明らかであり、このような将兵制が軍備の再建にも大きく寄与したと考えられるのである。
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Report
(3 results)
Research Products
(16 results)