Project/Area Number |
09J02682
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 小百合 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 水素結合 / 振動分光法 / 溶液 / 超短パルスレーザー分光 / 振動ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、振動分光法により溶液中における水素結合性錯体の振動ダイナミクスを調べることで新たな側面から水素結合の性質を解明することである。本年度は、特に前年度の実験から得られた結果のより詳細な解析と投稿論文の執筆に重点を置いた。 テラヘルツ時間領域分光法により得られた低振動モードのスペクトルに対して、液相における様々な分子運動の緩和現象を表すことができる多モードブラウン振動子モデルによるシミュレーションを行った。この結果から、観測されたスペクトルが分子間水素結合モードであることが裏づけられた。昨年度の光カー効果分光法による結果に続き、溶液中のおける水素結合モードの直接観測に初めて成功した。赤外ポンプ-プローブ分光法により得られた分子内振動の振動エネルギー緩和時間の波数依存性の結果についても、ポテンシャル上のポピュレーションの時間変化を表すことができるスモルコフスキー方程式を用いたシミュレーションを行った。その結果、水素結合強度のゆらぎを考慮することで波数依存性を説明でき、溶液中における水素結合性分子の性質を新たに明らかにすることができた。上記2つの内容及び、昨年度の光カー効果分光法による水素結合モードの直接観測の結果について論文を執筆し投稿中である。中赤外ポンプ-テラヘルツプローブ分光装置の開発については、テラヘルツ光発生及び検出部分のみ完成したが中赤外ポンプには至らなかった。しかし、今後のさらなる装置開発の発展が見込まれる段階である。 また、テラヘルツ分光観測とイメージング討論会、第4回分子科学討論会において口頭発表、2010環太平洋国際化学会議においてポスター発表を行い、成果の発信、参加者との議論を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)