Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Research Abstract |
本研究は,簡便な固体材料プロセスや液体・バイオ応用の実現へ向けた研究が近年盛んに行われている高気圧熱非平衡プラズマ源を対象とし,特に媒質の不均一性や界面の存在に起因した高気圧下に特有なプラズマ生成現象に関して系統的理解を得ることを目的としている.本年度は,通常は空間的に不均一となるアルゴンガス中での誘電体バリア放電の均一化現象に対する基礎研究に加え,高密度媒質中プラズマに一般的に適用可能な新規レーザ吸収分光法の研究開発を行った. まず,媒質の不均一性と同時に放電の不均一性にも着目した研究である,分子添加アルゴン中誘電体バリア放電に関する研究に進展があった.昨年度までは主にヘリウムガスを用いていたが,放電が空間的に不均一になる欠点をもつアルゴン中でも均一な放電が実現すれば,より安価なプロセス応用が可能となる.本年度は,昨年度より行ってきたアセトン分子による放電均一化に関する実験をまとめた論文を執筆・投稿すると共に,2種のガス流(ヘリウムガス+アルゴン/アセトン混合ガス)を交差させた場合のガス/ガス界面での放電現象についてICCDカメラを用いて詳細に観測した. さらに,高気圧プラズマ用の新規レーザ分光測定法の研究については,研究の着想から実験装置の選定などの準備を一昨年度より当研究員が中心となって地道に進めてきた成果が本年度になって現れたものである.本実験研究は,コヒーレントかつ広い周波数帯域を持つ光周波数コムを光源として用いた新しい原子吸収分光法の研究であり,プラズマを透過した光周波数コムと測定対象の原子吸収波長近傍の単一波長レーザ光を干渉させることによって,お高密度媒質中でのGHzオーダの吸収スペクトルをスペクトラムアナライザで一括して測定することができる.この新規手法により,従来の原子吸収分光法では片方が必須であったレーザ波長のスキャンと大型分光器の両方が不要となり,今後プラズマ診断だけでなく幅広い分光応用に展開可能な研究内容であると考えている。
|