実数および虚数化学ポテンシャル領域におけるQCD相図の統一的解明
Project/Area Number |
09J03667
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柏 浩司 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | QCD相図 |
Research Abstract |
量子色力学(QCD)の有限温度・有限実数化学ポテンシャルの相構造を調べるため、2フレーバー及び2+1フレーバーPolyakov-loop extended Nambu-Jona-Lasinio(PNJL)模型を用いて研究を行った。特に2+1フレーバーでの研究では、中間子質量に着目し、更に虚数化学ポテンシャルを考慮した。虚数化学ポテンシャルは実数化学ポテンシャルの情報を全て有していることが数学的に分かっている。この事実を利用し、この領域での中間子質量の振る舞いがQCDの低エネルギー有効模型を構築する上で重要である事を示し論文として発表した。また、温度を上昇させていった際の、カイラル対称性の回復が、虚数化学ポテンシャルでは遅れて現れる事を発見した。 更によりよいQCDの低エネルギー有効模型を構築するため、これまでも用いてきた局所相互作用で構成されるPNJL模型ではなく、非局所PNJL模型の研究も行った。この研究においても、虚数化学ポテンシャルを考慮することで非局所PNJL模型をよりよく拡張できる事を示した。具体的には、化学ポテンシャルの影響を強く受けるベクター型相互作用の強さを、非局所PNJL模型においても定量的に決定できる可能性を指摘した。この相互作用はこれまで自由なパラメーターとして通常取り扱われてきたため、本結果は重要である。この結果は既にドイツ学会で発表を行い、現在論文としてまとめているところである。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)