Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
数十塩基長の短鎖non-codingRNA(ncRNA)はその機能や動態の理解が深まっているが,数百,数千塩基長の長鎖ncRNAの機能のほとんどが未解明であり,膨大なデータから機能性長鎖ncRNAを区別する革新的な指標が望まれていた。mRNAにおいてRNAの安定性とその機能が密接に結びついており,ハウスキーピングタンパク質をコードするmRNAは長寿命だが,調節性タンパク質をコードするmRNAは短寿命であることがわかっている。そこで我々はncRNAにおいてもRNAの安定性を指標とすることで長鎖ncRNAの機能を定義できるのではないかと考えた。まず,細胞内のRNAの安定性をゲノムワイドにモニタできる手法として,BRIC-seq(5'-BRomo-uridine Immunoprecipitation Chase-deep sequencing analysis)を開発し,HeLa細胞中の11,052個のmRNA,1,389個のncRNAの安定性を測定した。その結果,mRNAでは上記で予想された結果が得られ,さらに,ncRNAにおいては,細胞内で安定な状態で存在するRNA群にはハウスキーピング様の機能を有するncRNAが有意に濃縮されており,不安定なRNA群には調節性の核内longncRNAが含まれていることを発見した。我々はこの不安定なncRNA群をSLiTs(Short Lived non-coding Transcripts)と命名した。さらに機能未知のSLITsに対して解析を進めた結果,細胞増殖に重要な役割を担う長鎖ncRNAや,外部刺激により安定性が変化する長鎖ncRNAを多数発見した。以上のことから,RNAの安定性は長鎖ncRNAの機能を定義する上で重要な指標となっており,その安定性を調べることは,長鎖ncRNAの機能解明への強力なカギになると考えられる。
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