Project/Area Number |
09J05700
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 享史 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | シガトキシンCTX3C / ポリ環状エーテル / 分子内アリル化 / 閉環メタセシス |
Research Abstract |
シガトキシン類に代表されるポリ環状エーテル類は、強力な生理活性を示すことや特異な構造を有していることから、生物化学的、合成化学的に興味を持たれている化合物である。天然から得られる量がごく微量であるため、詳細な生理活性発現機構を解明するための研究は遅れている。そのため、化学的に合成することによって十分な量の試料を供給することが求められている。本研究では、シガトキシン類の一種であるCTX3Cを標的分子とし、全合成による量的供給を目的とした全合成研究を開始した。 CTX3CはAからMまで13の環から成る巨大分子である。私はこれまでの研究でABCDE環部の合成を達成しており、今回、HIJKLM環部の合成について検討した。HIJKLM環部は、H環部とKLM環部をそれぞれ合成し、それらの連結後、IJ環部を構築することによって合成することを計画した。まずH環部の合成を検討した。既知法に従って6員環を構築後、立体選択的な水酸基の導入とオレフィンの形成等を行い、H環部アルコールを得た。続いてKLM環部の合成を検討した。アルドール反応、スピロアセタール化、ヨウ化サマリウムによる環構築を鍵反応として、KLM環部カルボン酸を立体選択的に合成した。その後、H環部とKLM環部をエステル縮合によって連結後、α-モノクロロアセトキシエーテルへと変換した。この化合物に対し、ルイス酸を作用させて分子内アリル化反応を行ったところ、低収率ながらJ環部を構築することができた。最後に、得られた化合物に対し閉環メタセシスを行うことでI環部の構築を行い、CTX3CのHIJKLM環部の収束的合成を達成した。 今回HIJKLM環部を合成したことで、CTX3Cの全合成に非常に近づいたと考えている。H環部とKLM環部の連結後の変換において課題が残ったが、今後それが改善できれば、CTX3Cを高効率的に全合成できるのではないかと期待している。
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