RNAサイレンシングを介した過敏感反応の制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J05744
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千秋 博子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | RNAサイレンシング / 植物ウイルス / 過敏感反応(HR) |
Research Abstract |
筆者はこれまでに、強力なRNAサイレンシング抑制タンパク質(サプレッサー)をもつウイルスが、植物に感染した場合に全身壊死を引き起こすこと、全身壊死はHRと同様の機構で誘導されることを明らかにした。以上の知見から、これまで独立したウイルス防御機構と考えられてきたRNAサイレンシングとHRが連動して作用しているのではないかと着想し、解析を進めている。 本年度は、タバコ属植物に全身壊死を引き起こすウイルス(P1AMV,TBSV)のサプレッサー形質転換植物についてRNAサイレンシングの指標であるsmall RNAと遺伝子の発現量を調べ、非形質転換体との比較を行った。データ解析の結果、複数のsmall RNA、遺伝子の発現が変動していた。発現が変動した遺伝子群の中には、HRに関与することが示唆されている転写因子、キナーゼ、オーキシン応答遺伝子などが含まれていた。今後、変異体、過剰発現体を用いてこれらの遺伝子の発現がRNAサイレンシングによって制御されていることを実験的に検証するとともに、他の全身壊死を引き起こすウイルスのサプレッサー発現下でも同様の変動が生じるかを解析したい。 また、本年度は、P1AMVと近縁なCarlavirus属のウイルスの2つのサプレッサーの機能を詳細に解析した。その結果、一方は単一細胞レベルでRNAサイレンシングを抑制し、他方はRNAサイレンシングのシグナルが植物体全身に拡大する過程を抑制することが明らかになった。さらにウイルスベクターを用いた解析から、本ウイルスはこれらの作用機序の異なる2つのサプレッサーをそれぞれウイルス感染の2つの段階で使い分けていることを明らかにした。これまでにサプレッサーを複数もつウイルスはいくつか同定されていたが、その機能が異なること、実際のウイルス感染において使い分けがなされていることを明らかにしたのは本研究が初となる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(12 results)