ロジウム二核錯体の二量化に基づく高機能水素生成触媒の開発
Project/Area Number |
09J05859
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 早弥 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 水の可視光分解 / 光水素発生 / ロジウム二核錯体 / 電子受容サイト / ポリオキソメタレート / メチルビオローゲン / プロトン共役電子移動 |
Research Abstract |
本課題では、水の可視光分解による水素生成反応の研究において、ロジウム二核錯体を用いた新規光触媒の開発を目的とするものである。様々な遷移金属を含むクラスターであるポリオキソメタレート(POM)を電子受容部位としてロジウム二核錯体に共有結合で連結し、電子受容と触媒の二機能を有する新規ロジウム二核錯体触媒の開発に成功した。アニオン性の有機色素であるEosin Yellowを光増感剤として用い、電子伝達剤非存在下で可視光照射によって生じたガスを定量した。その結果、水素の生成が確認でき、POMが電子受容サイトとして機能することが明らかとなった。また、反応溶液の光照射時の吸収スペクトル変化を測定したところ、POMの還元種の生成に由来する吸収帯が確認できた。つまり、Eosin YからPOMへの電子移動が起こって水素が効果的に発生することが示唆され、ロジウム二核錯体を用いた新たな二機能複合型水素発生触媒の開発に成功した。 また当研究員はRu(bpy)_3^<2+>を光増感剤、S_2O_8^<2->を犠牲酸化剤に用いた光酸素発生反応においても新たな研究を行った。水からの酸素発生反応については4電子の移動を伴う反応であるため、より高エネルギー反応が可能な触媒の開発が不可欠となる。光酸素発生触媒についてはルテニウムやコバルトの四核構造を有するPOMが触媒作用を示すことが報告されている。今回は四核構造ではなく、単核、及び二核のコバルトコアを有するPOMを用いて触媒機能評価を行った。これらPOMの安定性を検討したところ、光反応中での分解などは見られず、分子性触媒として機能していることが示唆された。また、光量を調節することで高い量子収率で反応が進行することが明らかとなった。本年度は、ロジウム二核錯体にPOMを導入することで多電子の授受を可能にした研究に加え、POMを用いた光酸素発生反応の触媒開発についても新たな知見を得ることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)