Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究課題の目的は,大陸衝突帯の変成作用プロセスを含む大陸地殻の進化過程を,実験岩石学的・記載岩石学的に検証・解析して,分析化学的研究手法(地質年代測定・微量元素濃度測定)で得た結果と有機的に結び付ける事によって明らかにする事にある.研究代表者は,研究初年度にインド南部地殻の地質学的・岩石鉱物学的研究を行ない,第2年度にオーストラリア国立大学に長期滞在して大陸地殻とマントル最上部との間の微量元素・希土類元素の分配関係を調べた.研究最終年度の上半期には,第2年度に引き続きオーストラリア国立大学に滞在して微量元素・希土類元素の分配関係の研究を行なった.当該年度の具体的な研究は,(1)地殻深部の高圧力条件で変成作用を受けたエクロジャイト相変成岩中の主要鉱物と副成分鉱物(放射性鉱物)の微量元素・希土類元素の濃度を精密測定し,鉱物間の元素分配関係を調べた.(2)前年度後半に行なった実験で得た生成物の詳細な記載・精密化学分析を研究最終年度に行ない,二相の不混和珪酸塩メルトとジルコンとスフェーンの高温条件下での相関係およびこれらの相間の微量元素・希土類元素の分配関係を調べた.(3)また,前年度から引き続き,オーストラリア南東部から採集した花崗岩質岩に含まれるジルコン,スフェーン,燐灰石の微量元素・希土類元素の分配関係を調べた.これらの研究の結果は,大陸地殻の進化過程,とりわけ大陸を成長させる場所である大陸縁辺部での物質循環過程を理解する上で重要な情報を提供した.研究最終年度の下半期は帰国して,国内の学会・学術シンポジウムで合計6件の筆頭発表者での成果報告を行なった.現在,オーストラリア国立大学での研究成果を国際学術誌で公表するため,投稿論文を執筆中である.尚,本研究課題の期間中の3年間で,研究代表者は,これまでに5編の筆頭著者論文・2編の筆頭著者以外の論文を国際学術誌で公表している.
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