小胞輸送が支配する根の水分屈性制御分子の同定と解析
Project/Area Number |
09J06705
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物分子生物・生理学
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森脇 哲平 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 水分屈性 / シロイヌナズナ / 小胞輸送 / GNOM / MIZ1 / MIZ2 / オーキシン / RabC1 / PINタンパク質 |
Research Abstract |
植物の根は、水分含量の多い空間へと屈曲伸長する水分屈性を示す。先行研究の結果、水分屈性に必須な遺伝子の探索より、細胞内小胞輸送の調節因子であるARF-GEFをコードするGNOM/MIZ2が同定されている。しかしながら、このGNOMあるいは小胞輸送系がどのように水分屈性を制御するのかという問題については明らかになっていない。そこで、本研究は水分屈性を制御する小胞輸送について、GNOMに関連した分子の探索および解析により明らかにしようとするものである。 既知の水分屈性制御分子として機能未知であるMIZ1が同定されている。MIZ1とGNOMとの関連について明らかにするため、遺伝学的解析を行った。MIZ1の過剰発現系統は根系形成の異常を示すが、miz2突然変異はMIZ1過剰発現系統の表現型を抑圧した。この結果より、GNOMはMIZ1の下流で機能することがわかった。さらに、MIZ1を過剰発現することによる根系形成の異常は、植物ホルモンであるオーキシン内生量の低下に起因することも明らかにした。 次に、水分屈性に伴う小胞輸送系の動態変化を解析するため、膜輸送およびオルガネラのマーカー分子について、これらの局在変化を解析した。その結果、RabC1が水分勾配刺激により細胞の頂端または基部側で凝集することを見出した。この変化はARF-GEF阻害剤であるBFAによっては抑制されなかったことから、RabC1の局在変化はGNOMの上流で制御されることが示唆された。一方、オーキシンを添加することで、RabC1の局在変化は抑制された。この結果は、MIZ1の過剰発現によりオーキシン量が低下するという結果と一致する。また、オーキシンの内生量を低下させると水分屈性能は向上するが、RabC1を欠損した突然変異体では、オーキシン量低下による水分屈性能の向上は認められなかった。 以上の結果より、水分屈性に機能する小胞輸送系として新たにRabC1を見出すと共に、その制御がオーキシンによって調節されていることを明らかにした。また、RabC1はGNOMの上流で機能している可能性を示した。
|
Report
(3 results)
Research Products
(22 results)