Project/Area Number |
09J07734
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 庸明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 液晶 / フタロシアニン / 有機半導体 / 縮環ポルフィリン / ホメオトロピック配向 / キャリア種 / 相溶性 / 非相溶性 / スタック構造 |
Research Abstract |
今年度まず初めに、昨年度まで開拓してきた「周辺置換基を変えることにより、同一π共役分子の集合構造を制御することでp/n型半導体の作り分けができる」という発見に関する論文が、アメリカ化学会誌の速報として受理された。今までに、同一π共役系コアを用いてこのような作り分けを行った例はなく、有機エレクトロニクス分野に与える影響は非常に大きいと考えられる。その後、meso位-β位で連結したタイプの縮環ポルフィリン二量体の液晶材料開発に取り組んだ。その研究過程で、得られた化合物のうち中心金属を有さないフリーベース体がアモルファス物質を与えたのに対し、亜鉛錯体はヘキサゴナルカラムナー液晶相を発現するという予想外の挙動を発見した。これは、中心金属という微少部位が秩序構造に大きな影響を与えることを意味しており、金属錯体液晶の分子設計指針に新たな知見を与えるものと考えられる。さらに、新しく「フタロシアニンシロキサンポリマーの有機薄膜太陽電池への応用」というテーマを開始した。このモチーフの特徴として、フラーレン誘導体と混合し、バルクヘテロジャンクション型太陽電池デバイスを作成した際に、シロキサン結合の存在のためフラーレン誘導体がフタロシアニン環同士の間に侵入せず、フタロシアニンが作る一次元電荷輸送パスが保たれるという特徴がある。太陽電池としての変換効率こそまだ低い値しか示していないが、この研究過程において、「シリコンフタロシアニンが重合するために必要な周辺側鎖の条件」を明らかにした。実際に、様々な側鎖を有するシリコンフタロシアニンモノマーを合成し、そのバルク状態での真空加熱法による重合可能性を調べたところ、モノマーがカラム構造を自発的に形成していることが、効率的な重合にとって鍵であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度初めて取り扱いを始めたmeso-Beta二重縮環ポルフィリン二量体をコアとするディスコチックカラムナー液晶の開発に成功した。さらに、同じ配位子構造であっても、中心金属の種類により液晶相を発現するか否かが変化するということを発見した。また、フタロシアニンケイ素錯体を一次元に連結したポリマーについても検討を行い、重合が効率的に振興するためには周辺置換基の設計が極めて重要であることを明らかにした。以上のような基礎的に重要な知見を得ることができたため、十分な進展があったと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終目標である、ドナー・アクセプター分離積層ナノ構造の達成はなされなかった。これは、当初予想していた、中心金属種によるp/n型特性の変換という狙いが不可能であったことに起因する。しかし同時に、同じπ共役系骨格であっても、その集合構造を変えることでp/n型をスイッチさせることが可能であるという予想外の発見をした。この知見は、材料中における分子の重なり方がいかに重要であるかを示しており、その方法論として「側鎖によるコアの重ね方の制御」という一般性の高い戦略を提唱するに至った。今後は、別のπ共役系骨格についても同様の戦略により、側鎖を駆動力とする集合構造の制御とその半導体特性の相関について調べることで、上記の提唱を実験的に支持することが可能であると考えている。
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