Project/Area Number |
09J08306
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
臼井 秀知 電気通信大学, 大学院・電気通信学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 超伝導 / 熱電効果 / バンド構造 / 第一原理バンド計算 / 鉄系超伝導体 / 第一原理計算 / 銅酸化物高温超伝導体 / ペロブスカイト構造 / 鉄ニクタイド超伝導体 |
Research Abstract |
エネルギー問題を解決への貢献も視野に入れて、【超伝導】と【熱電効果】について理論研究を行った。研究目的として【超伝導】1.鉄系超伝導体に対し、超伝導発現機構を探ることで超伝導のさらなる理解を目指す。2.旧来の閤題である銅酸化物高温超伝導体の臨界温度の差異を探求した。これらの研究の全てをコンピュータによる数値計算を用いて行い、本研究では第一原理計算から得られたバンド構造を用いて理論解析を行うアプローチをとっている。【熱電効果】金属的伝導性と大きなゼーベック係数を持ち合わせた熱電物質を作成するために、どのような指針を持つことが必要か研究を行った。研究内容として、酸化物熱電物質の代表例であるNa_xCoO_2の対し、スピン揺らぎの熱電効果に対する影響を調べた。その結果、界ピン揺らぎ効果によってバンド構造が大きく変化し、このバンド構造の変化はゼーベック効果に対して有利に働くことがわかった。【超伝導】1.鉄系超伝導体の超伝導転移温度の起源と差異を乱雑位相近似、揺らぎ交換近似を用いて調べた。(1)超伝導転移温度について鉄ヒ素結合角を横軸にとった場合、正四面体近くで最大値を取ることが実験でわかっていたが、それを理論的に確かめ、さらなる転移温度を目指す指針を与えることができた。(2)3次元的な軌道混成を持つバンド構造がフェルミ面に存在する場合、超伝導ギャップ関数がゼロとなるノードのある超伝導が存在する可能性を示した。(3)21311系と呼ばれる物質について、仮想的に結晶構造を変化させた場合、鉄系超伝導体では特有な超伝導ギャップ関数が得られることがわかった。2. 1層系銅酸化物高温超伝導体の転移温度の差異がd_<x2-y2>軌道とd_<Z2>軌道のエネルギー差から説明でき、その起源は2つのパラメータから理解可能であることがわかった。また、この理論から実験で観測されている圧力による超伝導転移温度の変化を定性的に説明することができた。
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