Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
レーザーポンプ・プローブ法を用いてHO_2消失速度を計測した。反応管にポンプレーザーとしてNd:YAGレーザーの第4高調波(266nm)を照射する。266nmの紫外光を照射することにより、大気試料中のオゾンを光分解させ、生成するO(^1D)原子と水蒸気との反応により人工的にOHラジカルを生成させる。ここに高濃度のCOを添加することにより生成したOHラジカルをすべてHO_2へと変換する。生成したHO_2ラジカルは大気中のNO_xなどと反応し消失する。HO_2ラジカルの測定方法として、レーザー誘起蛍光(LIF)法を用いた。反応管内の大気試料を2torrに減圧したLIFセル内に導入する。LIFセル内において導入した試料にNOを添加し、HO_2ラジカルをOHラジカルへと変換する。OHラジカルのプローブ光として、ダイオードレーザー励起のNd:YVO_4パルスレーザーの第2高調波(532nm)を励起光源とした波長可変色素レーザーの2倍波(308nm)を用いた。プローブ光を照射することでOHラジカルのQ_1(2)回転線を励起させ、発する蛍光を検出することでHO_2ラジカルの濃度変化を測定する。本手法を用いてHO_2+NO_2反応の速度定数を計測したところ、文献値とよい一致を示し、本手法の妥当性が確認された。そこで、本手法を用いて実大気観測を行ったところ、実測値と同時に計測した他の化学種から算出したHO_2消失速度値との比較から、2割程度未知の消失過程があることが確認された。これらの観測結果をもとに、未知のHO_2反応過程がどの程度オキシダント生成に影響を与えうるかシミュレーションを行った。未知のHO_2反応過程として、起りうる数種類の反応を仮定して見積もりを行ったところ、想定する反応過程によってオキシダントの生成効率が大きく増減されることが明らかとなった。
All 2012 2011 2010 2009
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results) Presentation (3 results)
Atmos.Environ.
Volume: 49 Pages: 51-59
10.1016/j.atmosenv.2011.12.029
J.Environ.Sci.
Volume: 24 Issue: 1 Pages: 78-86
10.1016/s1001-0742(11)60723-7
Atmos.Meas.Tech.
Volume: 3 Pages: 1547-1554
大気環境学会誌 45
Pages: 21-31
Atm.Meas.Tech.Dis. 2
Pages: 3291-3307
Atmos.Chem.Phys.Discuss 9
Pages: 18479-18509