TRPV1とTRPA1の相互作用による侵害刺激受容の分子機構の解明
Project/Area Number |
09J40051
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology (2010-2011) National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities (2009) |
Principal Investigator |
小松 朋子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | TRPチャネル / 相互作用 / 感覚神経 / 刺激受容 |
Research Abstract |
TRPは、6回膜貫通領域を有する非選択性陽イオンチャネルである。その中で、カプサイシン、熱刺激や酸刺激により活性化するTRPV1と、冷刺激やワサビ・シナモンの辛味成分により活性化するTRPA1は、侵害刺激および温度の受容体として重要な役割を果たしている。本研究では、両者が共発現する感覚神経細胞があることに着目し、両者の機能的な連関による侵害刺激受容のメカニズムがあるという新規の仮説を検証している。培養細胞にTRPV1のみ、TRPA1のみ、あるいは両受容体を発現させた異所性発現系にパッチクランプ法を適用して、電気生理学的機能を解析した。その結果、TRPA1リガンドであるアリルイソチオシアネートを適用すると、TRPA1のみ発現する場合よりTRPA1とTRPV1の両受容体を発現する場合に大きい活性化電流が認められた。上記の結果は、マウスより単離した感覚神経細胞を用いた解析でも観察された。また、アリルイソチオシアネートによるマウスの疼痛関連行動が、TRPA1欠損マウスのみならず、TRPV1欠損マウスでも減弱していることが観察され、TRPA1の機能的発現にTRPV1が関与することと合致する結果が得られた。 さらに本研究を進める間に、第一級アルコールが炭素数依存的にTRPA1を活性化することを見出した。TRPA1を発現させた培養細胞にパッチクランプ法を適用し、第一級アルコールによる活性化電流を確認し、TRPA1活性化に重要なアミノ酸を同定した。一方、マウスTRPA1は第一級アルコールによる活性化能がヒトTRPA1より弱く、マウスにおいて強い疼痛関連行動を起こさないことが明らかとなった.第一級アルコールは、皮膚や眼、鼻の炎症を引き起こすことが知られており、ヒトにおいてはその反応にTRPA1が関与する可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)