オオヒメグモ胚の左右相称性確立におけるシグナル系のクロストーク
Project/Area Number |
09J40173
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | JT Biohistory Research Hall |
Principal Investigator |
小田 康子 (秋山 康子) 株式会社生命誌研究館, 研究部門, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 細胞間シグナル / 体軸形成 / 体節形成 / パターン形成 / RNAi / クモ / 初期発生 / Hedgehogシグナル / 細胞移動 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究では、パターン形成の際に複数の細胞間シグナル系の情報がどのように統合されるのかを理解することを目指し、オオヒメグモ初期胚に左右相称のパターンが形成される過程をモデル系として解析を行っている。これまでの研究で、同じ節足動物のショウジョウバエ胚とは異なり、オオヒメグモ胚の初期のパターン形成にはシグナル分子など細胞外ではたらく分子が大きな役割を果たすことを明らかにしてきた。その中でも最近の私たちのグループの解析から、Hedgehog(Hh)シグナルが、前後軸・背腹軸形成、胚葉形成、体節形成など胚発生の初期に起こる種々の現象で中心的なはたらきをすることが分かってきた。そこで、Hhシグナルを中心に据えて、研究を行った。 私の所属する研究室で発見したスプリット型の体節形成におけるHhシグナルの役割を解析した。胚性RNA干渉(RNAi)法を用いて解析を行い、Hhシグナルと頭部形成に必須のotdがポジティブフィードバックループを形成し、hhの発現の波の移動開始と開始後の波の維持にはたらくことを明らかにし、他のメンバーのデータとともに論文として発表した。 体軸形成におけるHhシグナルとDppシグナルの新たな関わり合いを発見した。Dppシグナルとその拮抗阻害分子Sogが正中線形成に重要なはたらきをすることが分かっていたが、Hhシグナルの負の制御因子Sufuが正中線形成時にDppシグナルの伝達にはたらくことを示唆するデータを得た。またHhシグナルを細胞質に伝えるSmoも背腹軸に沿った位置情報形成にはたらくことが分かってきた。さらに、このようなパターン形成の動的な変化を詳細に知るためにmRNAの検出法の改良を行い、またHhシグナル系の転写因子であるCiに対する抗体の作製を行った。まだ論文にまとめるには至っていないが、細胞の移動とパターン形成の協調の解明や発生の調節性の理解につながる手がかりを得ることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)