Project/Area Number |
09J40184
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
英米・英語圏文学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 有希 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アメリカ・モダニズム小説 / 20世紀アメリカ文学 / ニューヨーク / アメリカ文化研究 / 文学における都市表象 / 現代ニューヨーク小説 / アメリカ1920年代 / アメリカ・リアリズム小説 / スティーブン・ミルハウザー |
Research Abstract |
平成22年度は、21年度に引き続き、研究課題である「アメリカ都市文学」、すなわち、19世紀後半から20世紀初頭のアメリカで起こった近代都市の発展と、そこにおける人間の経験を主題としたリアリズム文学の成立と変化についての検討を行った。今までの研究で、近代ニューヨークにおける特異な都市空間の成立に沿って生まれた固有の美学と文学形式の発展について、摩天楼とそれにまつわる空間表象をテーマとすることで、ひとつの一貫した見方を提示できるという見通しを得た。第一に、昨年度に引き続き1920年代のアメリカ都市文学と文化についての調査を行った。そして、ジョン・ドス・パソスの小説『マンハッタン乗換駅』が提示する、人物や社会の細部の積み重ねとしての都市と、それを可能にする装置としての建築について調査し、論をまとめた。さらに、F.スコット・フィッツジェラルドの代表的なニューヨーク小説における都市表象の各側面を検討し、フィッツジェラルドが摩天楼やホテルを特権的な場所として取り上げ、その空間に関連づけられた変化と多様性を強調することで同じくモダニズム文化の中心地であったパリとの差別化をしながら「アメリカの夢」を体現する空間としてニューヨークを描いていることを論じた。第二に、今まで研究して来た近代ニューヨークの都市空間表象の発展を現代的な視点から評価するため、2001年9月の同時多発テロ以降に発表された現代小説を広く研究した。カラム・マッキャン、ジョゼフ・オニール、テジュ・コールなどの現代ニューヨーク小説を、都市の過去と現在の連続性と断絶の感覚の諸相に注目する形で論じ、21世紀のアメリカ都市小説のあり方を検討した。
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