前方後円墳から考察する大和中央政権と東国地方政権との構造的関連
Project/Area Number |
10111107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
植木 武 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (20223448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 洋久 東京大学, 教養学部, 助教授 (00141987)
梅沢 重昭 群馬大学, 教育学部, 教授 (30232896)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 名誉教授 (00061771)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 前方後円墳 / 墳丘測量 / 統計解析 / 古墳時代 |
Research Abstract |
主軸長70cm以上の前方後円墳のマウンドの計測値を利用して分析を継続してきた。地方別に分析を終了したので、いよいよ、時期別にというところで、今回は前期古墳のみを対象とした。地域は、関東と関西に限らず、全国を対象とした。 『前方後円墳集成』から、主軸長70cm以上で、各部計測値が判明していて、しかもある程度しっかりした実測図が掲載されている例のなかで、前期古墳(I〜III期)のみをとりあげた。ただし、古墳の築造時期判定に関し、III-IV期、III〜V期などという例もあったが、III期が入っている以上、これらはすべて含めることにしたところ、76例を数えた。前期古墳は、山形県から宮崎県まで分布するが、なんといっても奈良県の14例を筆頭に、あとは多い県でも5例(岡山県)で、1〜3例という県がほとんどであった。 前期古墳のみという時期が決められていたので、今回はクラスター分析のみを利用した。恣意的にではあるが、0.85のところでcut-off lineを引くと、I〜III集団に分類した。さらに0.35に同様のlineをひくと、I集団は13のクラスター(2から5こ)、II集団は3つのクラスター(2から4こ)、III集団は1つのクラスター(5こ)にかたまった。つまり、計17のクラスターが似たもの同士のかたまりということになった。それぞれのクラスターに入った古墳は、偶然に形が似てしまった例を除き、同一工人、あるいは、少なくとも同一技法で築造された確率が高いわけで、それらが地理的に離れていると、当時の首長者として君臨した被葬者間に、政治的・経済的な結びつきがあったことを示唆するわけである。関東と関西のみに視点を移すと、奈良の五社神と群馬の福島神明塚がペアーを組み、奈良の佐紀陵山と千葉の柏熊8号が同じクラスターに属し、奈良の西殿塚と千葉の姉崎天神が同じクラスターに属す。それに、関東内だけだが、群馬の朝子塚、茨城の梵天山、神奈川の地頭山がひとつのクラスターを作ったことに注目したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)