中国のグローバル環境負荷構造の変動と北東アジア地域の多国間環境政策のシステム分析
Project/Area Number |
10112201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
池田 三郎 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40026307)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 中国 / 環境負荷 / 北東アジア / 水質汚濁 / 日本海 |
Research Abstract |
平成11年度では、過去2年間の研究成果を受けて、中国、日本、韓国、極東ロシアという日本海を囲む多国間の海洋環境保全の具体的な政策課題を水質汚濁に注目して、政策分析を行った。すなわち、中国を軸とする北東アジア地域の環境負荷構造の変化に対応した環境負荷評価モデルを開発し、中国、韓国、極東ロシア、日本(日本海沿岸部)における産業、農業、家計からの水質汚濁負荷量(COD)を具体的に推定した。そして、その推定された汚濁負荷量の構造的な特徴から、北東アジアにおける経済のグローバル化と越境水質汚染の増加,中国の環境管理政策特に水質管理政策,水質汚濁負荷量モデルを用いた北東アジアの水質汚濁負荷量(COD)の排出量推定及びその構造変化などを分析し、北東アジアにおける多国間の水質汚濁と資源保全の環境政策を提言した。 水質汚濁負荷構造からみると、日本と韓国は産業の高度産業化とライフスタイルの変化がほぼ終了したか、あるいは,進行中で、北東アジアにおける古典的な水質汚濁負荷(有機性汚濁)の悪化への影響は漸減しているが、一方で、有害化学物質、放射性廃棄物等の増加が予想される。中国では、産業廃水と生活排水は今後も大きく増加し、河川の古典的な水質汚濁はますます深刻化することが想定される.また、極東ロシアと北朝鮮も経済の回復につれて水質汚濁負荷量の増加が予想できる.従って,北東アジアの大陸附属海の水質汚濁の防止と資源保全のためには、1)海洋汚染の状況の共通認識の育成、2)環境保全技術の移転,3)地域海洋汚染の防止への相互支援、等にむけて、海洋環境保全管理ネットワーク等による北東アジアの多国間の環境政策の協調、とりわけ、観測網と情報交換が早急に確立され、かつ、有効に機能することが最重要である。
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Report
(1 results)
Research Products
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