Project/Area Number |
10112202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中井 英基 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (70068758)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 企業家精神 / 経営体質 / 合股 / 華僑企業家 / 官利 / 官・商関係 / 経済変動 / 公司 |
Research Abstract |
本研究は,19世紀中葉から現在まで一世紀半における中国経済の変動の概括と,その変動過程における企業家精神と企業の経営体質の有り様を比較検討した上で,現在の開放・改革期を経済・経営史上に位置づけ,その史的意味を確認しながら,今後の見通しを得ることを目的としている。この研究作業は三ヵ年計画により実施した。 三ヵ年各年度での研究を要約すれば,初年度(平成8年度)の研究の重点は,伝統農業社会から近代産業社会への移行を開始した中国初期工業化,つまり清末期から民国の北洋政府期までにおける企業家精神の代表例として,江蘇省南通の張謇・張〓兄弟(大生紗廠と通海墾牧公司)を取り上げて検討した。第2年度(平成9年)には清末期の官・商関係,中国の華僑政策の過程とその転換,そして中国最初の帰国華僑・張弼士によるワイン醸造企業の設立・経営をめぐる企業家精神を分析し,華僑企業家による最初の投資条件を解明した。そして第3年度(平成10年度)は,張弼士(広東人のインドネシア華僑)に続く華僑企業家として,紙巻き煙草の南洋兄弟煙草公司を創設・経営した簡照南・簡玉階兄弟(広東人の日本華僑)と近代デパート・紡織業を営んだ永安公司を創業した郭楽・郭泉兄弟(広東人のオーストラリア華僑)の二つの事例を比較検討し,帰国華僑企業家に特徴的な経営行動様式,とくに迂回経営を析出することに成功した。また19世紀中葉から現在までの一世紀半における近現代中国経済・経営史の時期区分と,企業家類型の推移を検討し,さらに清末以降の代表的な股〓有限公司(株式会社)の定款など設立関係文書を分析して,企業の経営体質の鍵の一つとなる「官利」の動向を解明した。そして最後に以上の三ヵ年の研究成果をまとめる「研究成果報告書」を刊行した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)