Project/Area Number |
10112209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
茂木 敏夫 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (10239577)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 中華世界 / 国民国家 / 朝貢 / 冊封 / 土司 / 改土帰流 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀以前のいわゆる伝統的な中華世界において働いていた求心力と遠心力が、19世紀から今世紀の再編成(=国民国家の形成)にあたりどのように働いたか、その働き方の変容について、その時代のいくつかの代表的な政治家・知識人の言説を通じて検討した。 1 前近代の中華世界の構造 前近代の中華世界の構造、およびそれを秩序化する論理に関して、これを中華世界という場に働く求心力と遠心力という観点から考えた場合、このふたつの力は微妙なバランスを保って競合しながら、ときに対抗し、ときに補完しあって、多様性を有する世界の緩やかな統合を実現していたと考えられる。西南地域の土司による統治体制の実態と、改土帰流として合理化される王朝・中央の側の論理をつき合わせることで、内外を通じて連続する全体像を考察した。 2 19世紀の構造変動 人口爆発による社会の流動化と対外危機によって18世紀末、乾隆末年以来、求心力・遠心力のバランスが崩れ、19世紀を通じて危機は深まっていった。報告者が重視してきた対外的危機に加えて、18世紀以来の上述の清朝内部の構造変動によって生じた内側からの危機とそれへの対応にも注意を加えて検討し、内外を連続させることで大きな見取り図を描くことを試みた。 3 20世紀中国への視座の構築 日清戦争敗北以後、国民国家モデルが浸透していったが、国民国家建設の課題のなかでも依然として求心力・遠心力の作用は連続していたことを、孫文、国民党や共産党の施策に即して若干の考察をおこなった。
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