Project/Area Number |
10120206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 徹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70292779)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 励起三重項アセチレン / ポテンシャル面 / cis-trans先異性化 / ab initio計算 / 波束ダイナミックス / トンネル効果 / MRCI計算 / CASSCF計算 |
Research Abstract |
励起三重項状態のアセチレンについては、これまで多くの分光学実験が行われており、それらの実験結果の解釈に際して理論計算は重要な役割を果たしてきた。最近Schaeferらは、T_2状態におけるcis-transの異性化反応のポテンシャル面の理論計算から、Fieldらの観測した励起一重項/三重項状態間の強い相互作用の要因を明らかにしている。一方、励起三重項状態におけるダイナミクスの観点からの研究はまだ遅れているようである。本研究では励起三重項状態(T_1、T_2)のポテンシャル面の高精度のabinitio計算とcis-trans光異性化のダイナミクスを量子波束法を用いて研究した。特にトンネル効果を考慮して三重項シス体、トランス体の寿命を検討し、最近の分光実験との関連を議論した。 基底状態、励起三重項状態(T_1、T_2)のポテンシャル面の計算には10軌道10電子をアクティブ空間とし、三状態についての重みを同じにしたCASSCF/cc-pVDZ法を用いた。配置状態関数はそれぞれの状態について約10,000-15,000となった。またT_1、T_2状態におけるcis,trans異性体の平衡点近傍のポテンシャル面の計算をCASSCF参照関数からの1、2電子励起を考慮した(internally contracted)MRCI法により行った。配置状態関数は約560万(縮約後は30万)となった。 MRCI計算の結果、T_1状態では、CiS体(^3B_2)がtrans体(^3B_u)より約8Kcal/mol安定で、T_2状態では、逆にtrans体(^3A_u)が約6Kcal/mol安定となった。これらの結果はSchaeferらのCCSD(T)/TZ(2df,2pd)の結果と良い一致を示した。基底状態からのFranck-Condon領域でのポテンシャル面の形状から、光励起された波束はcis体の方へより多く移動し、trans体へ分岐した波束もcis体へトンネル移動することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)