Project/Area Number |
10120209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福谷 克之 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10228900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ビルデ マーカス 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10301136)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 固体表面 / 水素 / 非局在化 / ゼロ点振動 |
Research Abstract |
金属表面では,表面の電子密度が平坦になるため,この表面に吸着した水素の隣接サイトへの拡散ポテンシャル障壁は比較的低く,このため水素原子核の波動関数が表面全体に非局在化する可能性が指摘されている.しかしこれまで報告されている研究では,振動励起状態の非局在性が議論されており,基底状態に関する研究は行われていない.我々はこれまでに共鳴核反応を利用すると,吸着水素の量子効果に伴うゼロ点振動の測定が可能になることを示してきた.本研究では,水素の非局在性に関する知見を得るために,共鳴核反応法を用いて金属表面に吸着した単原子層の水素のゼロ点振動の測定を行った.特にイオンの入射角を変化させることにより,表面に平行な偏角振動モードと表面に垂直な伸縮モードの測定を行った.試料としてはCu(110)とPt(111)を用いた.超高真空中で試料表面を清浄化し,試料を200Kに冷却した後水素を吸着させた.共鳴核反応の実験は東京大学原子力研究総合センタータンデム加速器の2Cコースで行った.Cu(110)表面では入射角0゚と60゚とでいずれもスペクトル幅13.0keVという結果が得られた.一方Pt(111)表面では0゚の時が11.2keV,45゚の時が10.8keVとなった.自然幅及び装置関数を考慮して零点振動エネルギーを求めたところ,Cu(110)が127meV,Pt(111)が90meVとなり,どちらの表面でも振動励起スペクトルから予想されるよりも大きな零点振動エネルギーが観測された.このことはポテンシャルが調和近似から大きくはずれていることを示すと考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)