量子揺動による準安定状態の緩和機構の解明と直接数値シミュレーション法の開発
Project/Area Number |
10120219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮下 精二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10143372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多々良 源 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10271529)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 非断熱遷移 / ナノスケール磁性体 / 量子ダイナミックス |
Research Abstract |
準安定状態の緩和が熱的な励起ではなく、量子揺動のために起こることがいろいろな低温での観測で明らかになってきている。これらの現象を解析するための埋論的定式化を行ってきた。特に、純粋に量子力学的な現象として非断熱遷移による現象の特徴を明らかにした。特に、外場を時間的に掃引したときの時間の変化や、交流外場のもとでの干渉現象などにおける特徴を周期ごとの時間発展演算子(フロケ演算子)の固有値問題として研究し、磁性体や伝導系に応用した。さらに、格子との相互作用の効果を調べるためボゾン系と結合した場合の非断熱遷移の性質も詳しく調べ、通常エネルギー準位の幅といわれるものの意味についての具体的機構を考察した。その上で緩和過程の効果を考える具体的理論的枠組みを熱浴と結合した系において熱浴の自由度を消去した縮約密度行列の方法で作り、実際の微小磁性体のヒステリシス現象に応用した。また、量子揺動が大きな系での電子スピン共鳴の吸収曲線に関する新しい方法を開発し、共鳴磁場の温度変化の空間的な構造依存性を明らかにするとともに、これまで困難であった吸収の線幅を双極子相互作用から第一原埋的に求めることができた。最近興味を集めている様々な量子スピン相における特徴を明らかにしようとしている。また、量子系では絶対零度での不確定性原理による揺動が残り、古典系とは異なる無秩序相の存在が知られているが、そのような現象をもたらす量子揺動は系の不均一さと相乗効果を発揮して新しい特徴を持つ状態を生じさせる。このような効果の典型例として、非磁性原子で希釈した2次元反強磁性ハイセンベルグ模型(スピン1/2)の基底状態でのグリフィス相の特徴を量子モンテカルロ法で研究した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)