アルミニウム固溶体の超塑性における粒界すべりと粒内変形の競合
Project/Area Number |
10122219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 正久 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20013732)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 超塑性 / アルミニウム / 固溶体 / 伸び / 粒界すべり / 粒内変形 / m値 / 溶質雰囲気ひきずり運動 |
Research Abstract |
超塑性発現の一つの目安としてしばしば歪速度感受性指数m(=δlogσ/δlogε)≧0.3が挙げられる.ミスフィットパラメータの大きな溶質原子を比較的多く含む固溶体合金(Class I型合金)は高温変形が転位の溶質原子引きずり運動(solute drag)により支配され,歪速度は応力の3乗に比例する(ε=Kσ^3).このときm>0.3となり,n=3は結晶粒径に依存しないことから,Class I型合金は結晶粒が微細でなくても結晶固有の超塑性が発現するのではないか.このような観点から,比較的高濃度の溶質原子を含み,かつ粒界すべりの寄与をほぼ無視できる等軸粗大結晶粒や柱状晶Al-Cu Class I型合金について超塑性発現の可能性について検討した.その結果,Class I型挙動を示す条件下で超塑性の発現を確認した.以下にその特徴と変形機構について検討した結果を報告する. 供試材は99.99%Al,99.99%Cuを大気溶製し,鋳造→均質化処理→熱間圧延→中間焼鈍→冷間圧延なる工程で作成した粗大結晶粒径(平均結晶粒径560μm)Al-2mol%Cu合金,および水平加熱鋳型連続鋳造法(OCC法)により作成した柱状晶Al.2mol%Cu合金である.機械加工→均質化処理(833K×2hr)→粗研磨→電解研磨の後,インストロン型試験機による定速引張試験に供した. 固溶域,低歪速度において等軸粗大結晶粒試料で250%以上,柱状晶試料で400%以上という超塑性伸びが得られた.その歪の大半は粒内変形で補われ,solute dragによる粒内変形が主たる変形機構であることが確認された.ここで歪量20%で組織凍結した試料にX線を照射し,背面反射ラウエ法によるX線回折パターンを観察するとスポットは細分化せず,サブグレインの生成は確認されなかった.その試料にさらに1%歪を与え,表面を偏光により観察したところサブグレインの生成によるsurface tiltsは確認されなかった.これらの事実はClass I型合金に特徴的な現象である.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)